ソニーセミコン、AMR向け『Robotics Package』に独自3Dセンシング搭載 市販LiDARより安価で広範囲検出
この記事の内容をまとめると…
- 3Dセンシング搭載AMRソフトウェア「Robotics Package」を披露
- dToFベースの独自3Dセンシングにより広範囲検出と低コストを両立
- 3社共同開発の体制とセンサーユニット構成
ソニーセミコンダクタソリューションズは、国際物流総合展2025でAMR運用ソフトウェア「Robotics Package」に新開発の3Dセンシングシステムを搭載した構成を披露した。市販LiDARに比べ広範囲を捉えつつ価格を抑えた点が特徴だ。
Robotics Package詳細
Robotics Packageは、AMRの経路計画や障害物回避を担うRNSと、複数台の群制御を可能にするFMSを一体化した統合ソリューションである。サービス提供開始当初は市販LiDARを用いていたが、2025年8月から独自開発の3Dセンシングシステムの提供を開始している。3Dセンシングシステムは3社で共同開発し、ソニーセミコンダクタソリューションズがシステム全体の開発を統括し、CMOSセンサーやdToFセンサーを提供、アドバンテックがエッジコンピュータを提供、Sunny Optical Intelligence Technologyがセンサーユニットを開発した。dToFセンサーはレーザー光の往復時間から距離を検出し、画素数は24×24である。市販のLiDARと比べ横方向・高さ方向・奥行きを広範囲に検出できることを基盤としている。
どのように活用する?
当面の事業展開では物流倉庫のピッキングや搬送業務の効率化に注力しつつ、配膳ロボットや清掃ロボットといった他用途への展開も模索している。グループ会社と連携し、AMRを用いたライブ映像撮影の実証実験にも着手している。
仕様・スペック
コスト面 | メカニカルスキャン方式ではなく、内製dToFセンサーの採用により価格を抑制 |
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センサーユニット構成 | 前方「Multi dToF/RGB LiDAR System」(dToFセンサー3、フルHD解像度CMOSセンサー1、IMU)/後方・側方「dToF Depth Camera」(dToFセンサー1) |
認識機能 | 2次元コードや型番の読み取りに対応 |
センサー画素 | 24×24 |
検出特性 | 床など低い位置の物体、垂直方向で形状が異なる棚の回避、距離データを用いた高精度な自己位置推定 |
その他
AMR本体は武蔵精密工業が提供。AMRパッケージの受注は、武蔵精密工業、ロジスティードソリューションズ、シーネットの3社を通じて開始している。展示は「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」(2025年9月10〜12日、東京ビッグサイト)で行われた。