スポーツと商標

スポーツと商標

スポーツブランドにも商標は欠かせません。

たとえば3本ラインといえば、誰もがアディダスを思い出します。3本の平行線は、アディダスを示す商標として機能しているのです。
この3本ラインが生まれた理由の1つは、靴の強化だといわれています。

靴は、靴底と足の甲の部分でできています。人間は歩くとき、必ず足の甲を曲げて地面をけり上げることになります。そうすると、靴の足を覆う部分と靴底との間で離れるようなストレスが生じ、足の甲の部分が徐々に伸びてしまいます。その伸びを防止するため、靴側面に3本のラインを入れて補強したのが始まりだというのです。

今では靴のみならず、サッカー日本代表のユニホームにもあるように、洋服やズボンの横に3本ラインをつけるのがアディダス製品の特徴になっています。

ちなみにアディダスは、洋服の側面に3本ラインを入れることを立体商標として登録しています。立体商標という制度が生まれる前には、アディダスはこの立体的な商標を守るために平面的なマークとして商標登録をしていました。

スポーツと商標

出典:『スポーツと商標』(発明plus〔旧:開発NEXT〕)


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。