シリンダーとピストンの修理

シリンダーとピストンの修理

休みもあけて、ブレーキキャリパーのメーカーさんと連絡が取れました。

とりあえず、最悪の場合代替品はあることを確認しました。

それと、入らなかった「ピン」ですが、固いですがまっすぐに強く入れてくださいとのことです。

 

ピストンシールは別売りしていないとのことです。これは残念です。ここまでばらしたのだから、ぜひ換えときたかったのですが。

固着しかけの部分を磨きシール関係を取り付けました。

四本のキャップボルトは、ピンをまっすぐに入れるためバイスの口金との当たりにするためのものです。

セーパーのバイスにつまんで入れました。

ピストン側もパットの取り付け部分が出てますので、このようにしました。

無事組みあがりました。

機械に取り付けました。

モーター側のディスクとキャリパー側との芯出しがやりにくかったです。

見えませんので、ディスクとの並行や隙間の左右均等です。

物をディスクとキャリパーとの隙間に入れて、手加減で出しました。後はブレーキのエア抜きをして動作確認です。

 

結果、まだ少し引きずってますが、これくらいなら使えます。

インバーターを利用しての正転・逆転の微動運転も問題なく出来るようになりました。

ブレーキディスクの0.03の振れも問題ありません。

 

お盆休み前から始めた今回の修理は、いろいろありましたが、自分自身良い勉強になりました。

修理をしていつも思うことですが、ばらして構造を知った上で使うと、中の状態を想像しながら使えますので、より適切な使い方が出来ると思います。

それと、手を入れれば入れるほど機械への愛着もわいてきます。

 

コストだけを考えるならそっくり交換した方が、私の手間を考えると得かもしれませんが、自分で修理すると得るものは多いと思います。

 

~基本を大切にした技術伝承~汎用旋盤職人養成


1963年大阪生まれ。西尾鉄工所代表。旋盤師、伝統技術継承者◎祖父の代から80年続く大阪八尾市の町工場の三代目。「職人道」を極めた先代のもとで、13才から弟子入りし、昔ながらの職人技を叩き込まれ、家業を一人前にこなした。工業高校卒業後、中堅工作機械メーカーに就職。工作機械(機械部品を産み出す母なる機械。マザーマシンとも呼ばれる)の構造を隈なく学び、23才で独立。最先端コンピュータで制御された「NC旋盤」に対し、職人の「技」と「勘」が頼りの「汎用旋盤」(職人の手で動かす旋盤)をこよなく愛し、現在に至るまで、その加工にこだわり続けてきた。数少ない伝統技術継承者の一人。◎若い世代の人材不足、技術伝承に危機感を持ち、2016年「汎用旋盤職人養成講座」をスタート。教材用に独自開発した「汎用フライス盤」は、設計、加工、組立・調整をすべてひとりでやり遂げ、自身の総合技術力の賜物となった。最近、営業下手な職人の殻を破り、SNSを駆使して「基礎の手技」の重要性を次世代へと訴える。また、異業種の職人を対象に、「いぶし銀の会」を立ち上げ、オリジナル製品の企画、開発など「未来の職人像」を探っている。コンピューター依存が加速する製造業の未来を受け入れつつも、「機械の前に人間ありき」と、代々受け継がれてきた職人の技と精神性の伝承に力を注いでいる。◎2014年「八尾市ものづくり達人懸賞」受賞、2015年日刊工業新聞「マイスターに聞く」掲載、「なにわの名工」受賞◎西尾鉄工所ホームページhttps://nishio-tekkousho.jimdo.com/ 西尾鉄工所技術伝承 https://nishio-tekkousyo.jimdo.com/