コンサルタントの改善日記【7】

コンサルタントの改善日記【7】

今年もあとわずかになりました。毎年この時期になると同じことを言っているのですが、月日が経つのは何ともはやい!はやすぎる!!

年末は行く年を振り返り、来る年に思いをはせる時です。P-D-C-AサイクルのCheckとPlanを実行する時ですね。ということで最近に私の身の回りで起きたことをベースにC-A-P-Dサイクルを回してみたいと思います。

先日ある会合で管理職の方々と雑談していた時のことです。ある方(A部長)が「わが社は新しいことに挑戦する力が不十分」といった意味の発言をされました。そこで私が「Aさんはどんな新しいことをしたいのに会社としてできないのですか?」と聞くと、「特に具体的なアイデアはないんですけどね……」というお返事でした。「わが社」とは「私」のことでもあったわけですね。Aさんの会社の人全員がそう言っているのではないかと思いました。そういう会社はアイデアの量が少なく、改善の実行量も少ないのです、

一方、先週指導先のD社において10人くらいの小さい規模でKZ法を実行しました。それぞれの方がすぐ使わないモノにカードを貼り、それらを外に移動してみんなで議論をして全体最適の改善の結論を出しました。現場もすごくスッキリ!終了後10人それぞれに来年の活動についてひと言述べてもらいましたが、全員が独自の意見を話されました。新年早々の改善実行計画も具体的です。頼もしい会社だなあと思いました。

A社とD社の違いは、すぐやるかどうかの違いです。腕を組んでできない理由や失敗した場合の責任の取り方などをいくら議論しても何も起きません。それよりはまずは現場で現物を前にしてみんなでKZ法をするだけで改善が実行され更なるアイデアが出るのです。

2019年は行動の年!みんなで手足を動かしながらワイワイガヤガヤと楽しく改善を進めましょう。

今年一年、大変にお世話になりました。皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

コンサルタントの改善日記【7】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。