カタコト英語から始まる「生きた英語」って?入社1年目で海外赴任となった私が最も大切にしていること。
フィリピンで光通信製品の技術者としての配属が決まった。
当時の私のイメージは、海外で英語を使って、技術サポートの仕事をするという曖昧な事を考えていました。
とにかく「現地に行って光技術を一から勉強しよう」と……
しかし、技術の前にもっと別のことで苦戦することになったのです。
その一つは現地スタッフとのコミュニケーションでした。
赴任当初、既に経験のある現地人技術スタッフの組織に入り、調査などを行う際に、専門用語の理解に時間を取られました。
特に光技術では3文字で表すことが多く、e.g.、DWDM、DFB、SSR、Ithなど……(インターネットで検索してみてください!)
VerにNGがあり、0-levelと1-levelのeye patternがスペックに反しているなど。初めてでは理解しづらいことが多くありました。
そんな中、現場でカタコトの英語を使って、作業や状況確認することもしばしばありました。
例えば、TOSAのLow power NGが急激したため、現場に行き、調芯工程に行き、英語とビサヤが混じった会話をしながら、調査する……。
“The coupling process was encountered the low power issues bah!!”
“Could you show me the pre-production results?”
“Kani bah!!”
そんな、会話からだいたい始まる……。
うまく説明できないときは、紙に光パワー特性の図や調査内容を書きながら、といったことがしばしば。
全然 海外赴任した技術者的なイメージではない……。笑
その当時、上司によくスマートに話さなくていいから、生きた英語で話せ!と耳にタコができるほどいわれていたのを思い出します。笑
「生きた英語って何……?」
そんなことが、見えないまま同じような毎日が続きました。
今、振り返るといつだろうこの意味が分かったのは?と感じるぐらい自然と生きた英語に変わってきていました。
それは、相手に伝わり、互いに理解しあえる事を第一に考える事。
必死になって、絵を書いて説明し、何度も互いの理解を確認する事が、実は、自然と生きた英語に変わってきた要因ではないかと思います。
そんな事をしていると、自分が期待していた以上の結果をスタッフが出してくれます。
結局、言葉ではなく相互理解がどれだけ出来ているかで、言語が堪能なだけでは本物のコミュニケーションが出来ているとは言えない。
意味がない。
そう考えると、自分の周りで一緒に仕事をしたいと感じる人とはそれがすでに構築されているように感じます。
つまり、時間と努力を惜しまなければどんな人とも理解しあうことが出来る。
この大切さを教えてくれたのが海外赴任当初の私の宝であると思います。
あれから2年半が経った今。
何度も確認し、穴だらけの英語でも何度も聞こうとしてくれるスタッフがいる。
そのことは、今でも深く感謝したいと思っています。
今では、プランや経験を踏まえ指示(結果を出すためには)せざるを終えない立場となる時があります。
でも、そんな時でも一緒に手を汚して仕事をしているからこそ、現場の人の気持ちや考え方をできるだけ理解し、尊重したい。
だから、現場に入って作業者からたくさんの人と話をし、相手のことを少しでも理解する事を心がけて仕事をしています。
そして、生きた英語でコミュニケーションを図ることは、
私にとってこれからも忘れない重要な言葉であると思います。