カジタニ金属が阪神応援グッズ「カブトラ」 岡田監督ファンの社長が商品開...

カジタニ金属が阪神応援グッズ「カブトラ」 岡田監督ファンの社長が商品開発

カジタニ金属本社で「兜虎 カブトラ」をかぶる鍛治谷伸司社長(写真中央)と社員
カジタニ金属本社で「兜虎 カブトラ」をかぶる鍛治谷伸司社長(写真中央)と社員

 東大阪に工場を構えるカジタニ金属(大阪市生野区)が阪神タイガース球団承認応援グッズ「兜虎 カブトラ」を開発し、9月29日、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売を始めた。

鍛治谷伸司社長
鍛治谷伸司社長

 1973(昭和48)年、現会長の鍛治谷幸一さんが自宅の一部を改装して金属プレス加工会社の同社を創業。各種メーカーの金属加工を手がけていたが、主要取引先だったメーカーの1次下請け会社が倒産したため、他の企業に勤めていた次男で現社長の伸司さんが1987(昭和62)年に営業職で入社した。1998(平成10)年には、後継者のいない建築金物メーカーの事業を引き継ぎ、2009(平成21)年には玉串工場(東大阪市玉串町東)を開設。2011(平成23)年には玉串工場を拡張した。

 2011年に2代目社長に就任した伸司さんは、さまざまな業種を知りたいと、大阪府中小企業家同友会に入会。会員と共に、町おこしのための地域商店街のイベントに参加した。イベントではガラス繊維が入った硬質のファイバー紙を使い、その地域に縁のある武将にちなんだ甲冑(かっちゅう)を製作し、着用。それを見た他の自治体から甲冑レンタルの依頼があり、2014(平成26)年には、ファイバー紙製の甲冑を貸し出す「ワンチャンス事業部」を立ち上げた。

 コロナ禍でイベントは中止になり、甲冑レンタル事業は停滞していたが、「レンタル事業をしていた時にさまざまな球団のカラーでかぶとを作り、球場に応援に行って盛り上がっていたことを思い出した」と鍛治谷社長。米大リーグでは今年、大谷翔平選手がかぶとをかぶるパフォーマンスが人気となっていたこともあり、阪神タイガースファンで岡田彰布監督ファンの伸司さんは、以前作ったタイガースカラーのかぶとを同友会会員企業と共に改良。仲間とかぶって球場で応援していたところ、どこで購入できるかと声をかけられたことから、阪神球団とライセンス契約を結び、球団承認グッズとして販売することになった。

 組み立て作業は発達障がい者支援施設にも発注。伸司さんは「利用者さんもテンションが上がって張り切ってやってくれた。今までは良いものを作ってありがとうと言われるのがやりがいだったが、この商品を製作することで、作ってくれる人が喜んでくれることがやりがいになった。これからも付加価値を付けた自社商品などを企画し、頑張って仕事をつくっていきたい」と意欲を見せる。

 「カブトラ」は、頭部がプラスチック製、後頭部の錣(しころ)部分はファイバー紙製で伸縮するため持ち運びがしやすい。頭位は約58センチ、重さは300グラム。額のエンブレムは「HT」マークと、今季のスローガン「A.R.E.」の2種類で、付け替えることができる。

 価格は7,700円。限定500個。「マクアケ」での販売終了後は自社ウェブサイトで販売する。

出典:カジタニ金属が阪神応援グッズ「カブトラ」 岡田監督ファンの社長が商品開発(東大阪経済新聞)


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