カオパンサーはお寺に行くので、縫製工場はお休みです。| ラオス縫製工場の日常
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7月8日はカオパンサーでした。
カオパンサーとは、日本語で安居(あんご)入りする日のことを言い、この日からラオスのお坊さんたちは、厳しい修行期間に入ります。
パンサー(安居)はパーリ語で雨季のことを言い、雨が降って、虫や小動物が道などにでてきたときに踏み殺すことがないように、お寺に篭って修行したことが始まりのようです。
10月5日がオークパンサーと呼ばれる安居が開ける日になるので、約3ヶ月間、お坊さんたちは、厳しい修行に励むことになります。
毎朝の町中を回っての托鉢をなくなりますが、夜にもお経を唱えるなど、お経の回数が増えたりするようです。
お坊さん以外の一般の人の中にも、普段はかなりのお酒好きの人も、この3ヶ月は禁酒するという人もいます。
また、この安居の期間は、結婚式などの行事は行われません。
以前紹介した「2017年のラオスの祝日・祭日を紹介!!」では、縫製工場は2時間遅れで始業することになっていますが、今年は土曜と重なったこともあり、全日お休みとなりました(縫製工場は土曜日も仕事があります)。
【参考】
2017年のラオスの祝日・祭日を紹介!!
この日は、縫製工場の職員も含め、たくさんの人がお寺にお参りにいきます。この日に役所に行っても誰も人がいません。ラジオを聞いても、何とひたらすら音楽が流れ続けています。
きっと、DJの人もお寺に行っているのでしょう。
カオパンサーの朝には、下の写真のようにお坊さん用のご飯のセットを用意する人もいます。
ラープと呼ばれる細切れ肉の料理、野菜のスープ、ココナッツのデザート、果物、もち米などがあります。
また、この日のために特別なお供え物を用意する人もいます。
カオパンサーのときには、伝統的には、大きなろうそくまたは、「ク」と呼ばれる日用品のセットをお坊さんにお渡します(オークパンサー(安居明け)の日には、お坊さんに僧衣をお渡します)。
「ク」の中には、歯ブラシや電気ポット、時計、石鹸、スポンジ、ござなどいろいろなものが入っていて、この時期は「ク」セットが良く売っています。
カオパンサー前には、下の写真のような感じで、仏具屋さん以外の、普通のスーパーマーケットでも、特設コーナーが設けられたりします。
手前に大きなろうそくがあります。
少し見えにくいですが、奥に見るのが「ク」のセットです。
朝の5時過ぎから、お寺からは大きな音楽が流れ初めますが、7時半くらいから人が集まり始まり、8時半くらいからカオパンサーの法事(?)が始まります。
下の二人がこのお寺のお坊さんです(写真を撮ったのは法事が終わってからなので、周りにお供えの品がたくさんあります。)
一番に座っている年配の男性陣がお経を唱え、その後、お坊さんがお経を唱えています。
一段落すると托鉢が始まります。外で行なうことが多いですが、この日は雨がふっているため、狭いですが、お堂の中でそれぞれの持ってきたお添え物を、それぞれのお坊さんの托鉢用の入れ物に入れていきます。
お金(とっても日本円で20円から30円くらい)、果物、お菓子、花、もち米などをいれていきます。
この後、再びお経があり、この日のための特別なお供え物(大きなろうそくなど)をお坊さんにお渡します。
最後に、締めのお経があり、この日の法事が終わります。大体10時前くらいになります。
終わった後には、ご先祖様などに祈りを捧げます。
お墓のある人は自分のお墓に、ない人は木などに花を供え、お清めの水をかけます。
ラオスでは、多くの人が仏教徒であり、上のように仏教に関わるには、たくさんの人がお寺に行き、托鉢をしにいきます。
日本に比べると、お寺との距離、お坊さんとの距離がとても近いのがラオスの仏教だったりします。