オーク製作所、高解像・高精度ダイレクト露光装置で微細配線形成を実証

オーク製作所、高解像・高精度ダイレクト露光装置で微細配線形成を実証

この記事の内容をまとめると…

  • 高解像・高精度なダイレクト露光装置の開発
  • 微細めっき配線形成の適用性実証
  • 510×515 mm全面で0.5 μmの位置合わせ精度を達成

株式会社オーク製作所は、フォトマスクを使用せず半導体基板に回路パターンを焼き付けるダイレクト露光装置を開発した。従来より高い解像性および位置合わせ精度を実現した次世代技術である。

ダイレクト露光装置詳細

本装置は、NEDOの委託事業「省エネエレクトロニクスの製造基盤強化に向けた技術開発事業」の一環として開発された。フォトマスクを用いないダイレクト露光により、先端半導体パッケージで要求される微細な配線回路形成への適用可能性を実証した。

背景として、産業のIoT化や電動化の進展に伴い半導体の高性能化と省エネルギー化が求められている。従来の微細化技術の限界を踏まえ、チップレット集積技術が着目され、後工程のパッケージングでは高精度なアライメントや接合、相互配線接続などの高度な製造技術が必要とされる。ダイレクト露光装置はフォトマスク設計・製造の時間とコストを削減する特徴を有する一方、先端パッケージへの適用には解像性と位置合わせ精度の向上が課題であった。

どのように活用する?

  • 先端パッケージにおける微細な配線回路形成への適用
  • ダイバイダイ・アライメントによりダイシフトに対応
  • 高精度カメラによるアライメントマーク読み取りとリアルタイム位置補正に対応

仕様・スペック

解像性 線幅1 μmの回路形成を実証
微細めっき配線形成 有機材料上で線幅2 μmの銅めっき配線形成が実現可能
位置合わせ精度 510×515 mmの露光サイズ全面で0.5 μm
露光サイズ 510×515 mm(SEMI3D20で定義されたパネルレベルパッケージ標準サイズの一つ)

その他

  • 今後の予定:2025年度内に製品化。2025年度から2026年度にかけてシリーズ化を目指す。
  • 注釈:L/Sは回路パターンの幅(Line)と間隔(Space)を示す。アライメントマークは位置合わせの目印となるパターン。510×515 mmはSEMI規格(SEMI3D20)で定義された標準サイズの一つ。

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