オムロン、人の数と位置を高精度に検出する画像型人感センサーを発売
オムロン株式会社は、人の数と位置を高精度に検出するビルオートメーション向け画像型人感センサー『HVC-F』を2017年4月に発売すると発表した。
製品概要
『HVC-F』は、ビルや工場の天井に設置し、内蔵しているイメージセンサーで捉えた画像データをオムロン独自の画像センシング技術で処理することで、7.2 m×7.2mの範囲にいる人の数とそれぞれの位置を検出できる人感センサー。
最大5mまでの高さから検出可能で、オフィスエリアや会議室だけでなく、ビルのエントランスホールやエレベーターホールなど天井の高い場所にも設置可。複数台の設置により、さらに広いスペースにおける人の検知も同時にできる。
なお、人物を識別・特定する機能はない。
機能と特長
工場の生産現場における生産性を向上
人の位置や数を「見える化」することで作業者の時間ごとの活動位置を捉え、分析した情報をもとに生産現場におけるライン、機器のレイアウトを最適化するなど、生産現場の効率向上を実現。
よりきめ細やかな空調・照明制御で省エネと快適性を実現
通常、ビルの自動照明は人の存在を赤外線センサーで捉え照明のスイッチを入切りするが、『HVC-F』によって、ユーザーは人の数と位置情報をもとに、室内状況に合わせた最適な制御を行ない、更なるエネルギーコストの削減が可能。これまで温度センサーで室内の温度変化を捉えて制御してきた空調も、人の位置と人数に応じて緻密にコントロールでき、省エネと快適性の向上を両立する。
オフィス空間の有効活用に向けた新たなサービスを創出
『HVC-F』を会議室の予約システムなどと連携させることで、会議室の実際の使用状況・使用人数に応じて、ビルに入居している企業などにオフィス空間の有効活用策を提案するといった新たなサービスを創出。
発売の背景
2014年4月に決定された政府の「エネルギー基本計画」では、エネルギー消費の少ない「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)」の実現が目標設定され、オフィスビル等で省エネ対策の更なる強化が求められている。
そこで、オムロンはさまざまな人と環境をセンシングできる技術を提供し、省エネ・快適空間を創造するスマートビルディング、IoT時代における生産性向上に配慮したスマートファクトリーの実現に貢献していく一環で、『HVC-F』を製品化した。
仕様
- 検出範囲:7.2m×7.2m(天井高さ3m以上に設置の場合)
- 設置高さ:2.5m~5m
- 出力:人数データ、位置座標
- 通信インターフェース:PoE(Power over Ethernet)
- 消費電力:動作時4W 待機時2W
- サイズ:直径100mm×高さ140mm
出典:『人の数と位置を高精度に検出する画像型人感センサーを発売 -省エネと快適性・生産性の向上を同時に実現-』オムロン株式会社