インクジェット用語集(ま行)
インクジェットに関する用語をまとめた用語集です。
マイクロポーラス型受容層
英文表記:micro-porous absorbing layer
マイクロポーラス型受容層とは、シリカやアルミナ等の微細な多孔質無機顔料を分散してポリビニルアルコール等の水溶性樹脂で無機顔料を結着させて形成する受容層を指す.サブミクロン程度の細孔からなっており,瞬時にインク吸収するため印字後の指触乾燥が速く,耐水性も良好である。
膜沸騰
英文表記:film boiling
膜沸騰とは、液体に接した物体の表面が急速に高温になったときに,界面付近の液体が瞬間的に気化する現象をいう.発泡の瞬間の気泡内の圧力は水の場合30気圧以上に達するが,気泡が成長するのに伴い,内圧は大気圧以下となり消泡する.バブルジェットはこの現象を利用している。
マットコート紙
英文表記:matt coated paper
マットコート紙とは、インクジェット記録適性を持った無光沢(マット)コート紙のこと.シリカなどの無機顔料を主成分としたインク受容層を有し,インク吸収の速度と染料の発色性に優れる.インクは顔料粒子が作る隙間から毛管力で吸収される。(=インクジェット用マットコート紙)
マルチパス
英文表記:multi-pass
マルチパスとは、インクジェットにおいて,バンディングを目立たなくするための印刷手順をいう.主走査方向に直線状に並ぶ画素を複数走査により異なるノズルから吐出した液滴で重ねることにより,個々のノズルに起因するよれやインク量ばらつきの影響を平均化効果により低減させることができるが,印刷速度が低下する弊害がある。
バブルジェット
英文表記:bubble jet
インク室に設けた発熱ヒータに通電することでヒータ近傍のインクを膜沸騰させ、瞬間的な気化により発生する高圧でインク滴を吐出させるインクジェット方式。バブルジェットとも呼ばれる。(=サーマルインクジェット)
ミスト
英文表記:mist
ミストとは、ノズルからインク滴が吐出するときに伴って発生する微小なインク滴のこと.紙に着弾せず,ヘッド周りやプリンタ機内に浮遊し,付着して汚染する原因となるため抑制が必須である。
メタメリズム
英文表記:metamerism
メタメリズムとは、分光スペクトル分布の異なる2つの色刺激が,特定の条件で同じ色に見えること.条件等色ともいう.光源のスペクトルが変わると異なった色に見える場合が有り問題となる。
目詰まり
英文表記:clogging
目詰まりとは、狭義には,吐出口が,増粘・固化したインクにより塞がれる現象を指す.広義には,故障以外の原因による不吐出現象全体に用いる場合もある.ノズル内に滞留した微小気泡が原因のこともある。
メニスカス制御
英文表記:meniscus control
メニスカス制御とは、オリフィスに形成されたインクの液面をメニスカスといい,吐出の瞬間のメニスカスの形状を制御すること.ピエゾインクジェットでは,駆動電圧パルス形状でメニスカス運動を制御することにより,吐出する液滴の大きさを変調することができる。