インクジェット用語集(た行)
インクジェットに関する用語をまとめた用語集です。
耐ガス性
英文表記:gasfastness
耐ガス性とは、記録画像・記録用紙を室内にそのまま展示した場合、例えばオゾンのような空気中の酸化性ガスにより記録画像が変色・退色したり、記録用紙が変色することに対する堅牢性をいう。
耐擦過性
英文表記:rubfastness
耐擦過性とは、インクジェット記録部(文字、画像)の指脂、およびハイライタ(蛍光ペン)等による擦りに対する堅牢性をいう。顔料インク系において、手指や蛍光ペンで印字部をこすった時に滲み、画像流れが発生する場合がある。
耐水性
英文表記:waterfastness
耐水性とは、記録画像の水分に対する堅牢性のことで、水溶性染料を用いた場合の問題点の一つ。耐水性改良の手法としては、記録紙中に添加剤(染料トラップ)を入れる場合と、pHにより溶解度の異なる染料を用いる場合とが知られている。
縦モードピエゾヘッド
英文表記:push mode piezo head
縦モードピエゾヘッドとは、圧電体(ピエゾ)素子の一端を基体に固定し、この固定部を基準にした圧電体素子の長さあるいは厚さ方向の変位で直接インク室の壁(振動板)を変位させる構造を持つピエゾ方式のインクジェットヘッドを指し、ダイレクトモードとも呼ばれる。圧電体素子の応答速度と変位量が大きいため、高速で高密度なヘッドが実現できる。また、積層圧電体素子を利用した低電圧化も実施されている。
撓(たわ)みモードピエゾヘッド
英文表記:bend mode piezo head
撓みモードピエゾヘッドとは、インク室の壁を形成する振動板を圧電板と弾性板とを積層したユニモルフアクチュエータで構成したピエゾ方式のインクジェットヘッドを指す。圧電体への電圧印加で圧電板が収縮して振動板が撓み、インク室の容積が変化する。
淡インク
英文表記:diluted ink
淡インクとは、通常のインクに対して染料濃度を1/6から1/3に減らしたもので、画像のハイライト部の粒状感を無くすとともに、低濃度側から高濃度側まで滑らかな階調表現を与える。
直接染料
英文表記:direct dye
直接染料とは、水溶性染料の一つで、セルロース繊維を媒染剤を使わずに直接染めらる染料として良く使われている。インクジェット捺染に使用する場合は、水素結合による染着のため反応染料と比較して堅牢度が低い。
ディスポーザブルヘッド
英文表記:disposable head
ディスポーザブルヘッドとは、インク容器とヘッドが一体で、インクを使い切ったところでヘッドごと交換する形態のヘッドのこと。
水溶性染料
英文表記:water soluble dye
水溶性染料とは、水に可溶な染料のことで、水溶性染料はさらに酸性染料、直接染料、反応性染料、塩基性染料、酸性媒染染料、可溶性建染め染料などに分類される。水に対する溶解度の高さから、酸性染料、直接染料がインクジェット用色素として多用される。インクジェット捺染では、染色する布種に適した染料が選択される。
ドット
英文表記:dot
ドットとは、記録紙上にインク滴やトナー等によって形成された画像の最小単位のこと。ドット形状は円、楕円、矩形など記録方式や紙の種類により異なる。コート紙では真円に近いが普通紙ではフェザリングにより、いびつな形になることが多い。
ドットサイズ変調
英文表記:dot size modulation
ドットサイズ変調とは、液滴が吐出する毎にその重量を変化させる技術をいう。階調再現や線幅補正、エッジ修正等の目的で使用される。広義には複数ドットで画素を形成する場合の画素単位の変調も含む。