アイデアの泉

アイデアの泉

世の中で出ている商品にスポットをあて、アイデア発想のヒントにしてもらおうという企画。

 

みなさんコーヒーは飲まれますか? 都心の町中ではコーヒーショップがあちこちに乱立しコンビニでも百円コーヒーがどこでも飲め、今やコーヒーの1世帯あたりコーヒー消費量は全国平均は年間2241グラムで1日当たり6.14グラム。

これをインスタント換算するとコップ3杯分となります。

コーヒーを飲めない人を除くと飲める人は飲まない日がまったくないくらいの消費量です。

 

そんな現代人に欠かせない飲み物 コーヒーですが、家でも気軽に飲みたいと“ネスプレッソ”、“バリスタ”など各社コーヒーメーカーが出ておりますが、みなさんの家庭にもかなりの確率であるのではないでしょうか?

しかし、このコーヒーメーカーよく見ると豆や液体をセットするものではなく、インスタントコーヒーをセットしているものもあります。

“バリスタ”などはその代表です。

 

そう。つまりそういったコーヒーメーカーの機能は「お湯を沸かしてそそぐ」という手間を省いただけなんです。

面倒な部分を助けてあげるための機械が売れ、手間が減り、手軽になる分、さらにインスタントコーヒーの消費量も増える。

メーカー側からすれば一石二鳥なのです。

 

さて、ここで上記であがった「お湯を沸かしてそそぐ」という機能について追及してみましょう。

日常でお湯を沸かして飲んでいるもの……皆さん、なにが思い浮かびますか?

そう。お茶ですね。

 

ここに目を付けたのがシャープさん。

シャープさんから“ヘルシオお茶プレッソ”なる商品が出ております。

こちらはインスタントではなく市販の茶葉をいれ、水を入れると茶葉を挽いてくれ、おいしいお茶がいれられるそうですが、基本的な考え方は「お湯を沸かしてそそぐ」を効率化したものです。

http://www.sharp.co.jp/ocha/

 

そしてお茶以外だと「お湯を沸かしてそそぐ」なにが思い浮かびますか?

お味噌汁なんかもありますね。

ここに目をつけたのが老舗お味噌汁のマルコメさん “椀ショット極” なる商品が出ております。

http://www.1shot-club.com/
 

コーヒーメーカーをみて、「お湯を沸かしてそそぐ」という機能に着目すると新たな商品の開発につながりました。

ほかにあなたの周りに、お湯を沸かして作っているものはありませんか?

カップラーメンやスープなんかもありますね。

 

こういったものの自動機が発売される日も近いかもしれませんね。

家の中にあるものも、分析してみると新しい製品のきっかけになるかもしれませんね。

よいアイデアが浮かんだら特許出願もお忘れなく。

 

執筆者【原 渚(はら・なぎさ)】
1979年千葉県生。東京理科大学理工学部経営工学科卒業。
大手電機メーカーにて原価管理、経営管理、企画部門を歴任。
26歳の時、当時史上最年少で1万7千人規模の中国海外拠点の管理部門に出向し、VE導入やコストダウンに取り組み、成果を挙げる。若くして得たグローバルな視点やコストマネージメントや経営ノウハウを活かし、某社退職後、有料自習室の経営及びファイナンシャルプランナーとして活躍中。

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出典:『アイデアの泉』開発NEXT


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。