まさかの時代にするべき改善とは【4】

まさかの時代にするべき改善とは【4】

先々々回、「まさかの時代」にするべきこととして、今すぐに実行して「もうできちゃったの、まさか!」とに言わせることだと申し上げました。

「いつやるの?」「今でしょ!」は2013年の流行語大賞を取りました。

知らない方はほとんどおられないでしょう。

しかし今何をするのか?

先日ある会社で「うちはすぐ会議を開きます」という話を聞いたのですが、それって「まさかの時代にするべき『すぐやること』」とはちょっと違わないかなあと思いました。

 

私の改善指導会では、その場でできることであれば即みんなでやってしまいます。

その場でやるとすぐに結果が出るのと、実行の過程でいろいろなアイデアが生まれて次のステップの宿題が決まります。

しかしもしこれをその場でやらずに宿題にしたらどうなるでしょうか? 次にやることはその宿題をいつやるかを決める会議を開くことになったりしますからやはり即実行はメチャクチャはやいことになります。

 

以前、欧米のビジネスマンから日本人はどうしてこんなに会議ばかりするのだ?としばしば聞かれたことがありました。

日本人は会議好きなようです。

もちろん会議をすべて否定することではありません。

会議を通じて情報を共有化したり広く意見を求める必要がある時もあります。

しかし会議をしないでも実行できることがたくさんあることも事実です。

 

私も先日あることの決定に関して、これまでいろいろな人に連絡したりついでに意見を聞いたりというプロセスを経て決めていたことがあったのですが、それを一切省いてすべて自分で決めて結果を全員に報告するということをしてみました。

実はこの仕事は本来すべて自分で決めるべきことであったのですが、つい習慣でいろいろな人に声をかけていました。

 

今までとやり方を変えたので、ちょっとだけですが失敗したらどうしようと心配になりました。

しかしやってみたら何の問題も起きなかったし、何よりもこれまでやっていた調整などの連絡のやり取りがすべて省けたことの能率向上はすごいものでした。

 

まず会議ありき…という習慣はスピードを落とします。

習慣で会議がひらかれていることがありませんか? チェックをお願いします。

柿内_まさかの時代④_001

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。