まさかの時代にするべき改善とは【3】

まさかの時代にするべき改善とは【3】

先々回、「まさかの時代」にするべきこととして、今すぐに実行して「もうできちゃったの、まさか!」と人に言わせることだと申し上げました。

 

しかし実際にやろうとするといろいろな障害が出てくるものですということで先回はバランス崩れ対策をお話ししました。

今回もそれらの障害についてお話しします。

 

今回はそれやっちゃだめでしょという間違ったことをしてしまう可能性についてお話しします。

 

簡単に言うと、間違ったことをみんなでしっかりとやってしまう可能性もある!ということです。

間違ったことをみんなでしっかりやると必ず間違います。

 

例えば、プレス工程で「能率を上げなければいけない」といって一回の生産のロットサイズを大きくして段取りの回数を減らすことで能率を上げたとしましょうか。

間違いなく在庫が増えて、運搬が増えて、容器を用意するなどの管理が増えて、となって結果として能率が落ちてしまうでしょう。

この考えは基本的に間違いです。

やっちゃダメ。

 

そこで大切なことはみんなで可能性のあるアイデアをできる限り出してみるブレーンストーミングに近い議論ができることです。

一人の声が大きい人の意見で突っ走るのではなく、必ずみんなでワイワイガヤガヤできることが大切です。

 

でもそれでも間違ってしまったことが分かったらどうするか?元に戻してください。

それだけ…。

 

逆に言うと、みんなでやる改善は間違ったらすぐに元に戻せばいいんだからまずやってみようと言ってほしいです。

 

とにかく変化が速い時代です。

正しいことを今すぐやって変化のスピードを上げましょう!
柿内_まさかの時代③_001


◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。