すれ違いの議論の撲滅対策|元トヨタマンの目
「新しい仕事を外注に出す」
という問題が発生して課長会議が召集された。
事務局「F工業にこの仕事を出したいのですが?」
A課長「それは良い考えだ。F工業にすればいいよ」
するとすかさず、
B課長「イヤ、私は反対だ。F工業はダメだよ」
と強行に主張する。
結局、会議は賛成と反対の二派に分かれて、なかなか結論が出ない。
たまりかねて、
事務局「ところでA課長、F工業を推薦される理由はなんですか?」
A課長「私は以前、F工業に仕事を頼んだことがありますが、なかなか品質は優秀でしたよ」
今まで反対していたB課長が、
B課長「アア、そうそう、F工業は『品質』はなかなか優秀だヨ」
事務局「それではなぜ反対なのですか?」
B課長「F工業は『納期管理』があまり良くないので反対なのです」
今度はA課長も、
A課長「うん、そういう傾向はあるな」
とB課長の説に同調してしまったのだ。
要するに両課長とも
「F工業は良いか、悪いか」
を判定する基準になる考え方、すなわち「区分原理」が違ったままで、それぞれ
「F工業は良い、いや悪い」
と主張しあったのだ。
このような場合は、
①善悪を判定する基準になる考え方、すなわち「区分原理」はどんなものがあるか列挙する
②各項目のもつ重要度を投票によって決める
③各項目に対する評価点数を各課長に提出させる
そして
「重要度係数×評価点数」によって決定するようにすればいい。