これからの変化の時代に向けてのカイゼン【8】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【8】

今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所41】の解説です。

人手不足と言うな。人不足と手不足に分けて考えよ。

 

私はほとんど毎日、日本中のどこかの工場で改善活動をしています。

そこで気付くのですが、最近はほぼ例外なくどの会社も忙しくなっていて、仕事をこなしきるために残業をする工場が増えています。

このままもっと忙しくなるとブラック企業になってしまう、大変だ!という切羽詰まった状況の会社も少なくありません。

 

しかし日本は少子高齢化が進んでいますから、総人口はもちろんですが労働人口はもっとすごいスピードで減っています。

ですから忙しいのでどこかから応援に来てもらうといったことがほぼ無理…な状況です。

 

ではもっと忙しくなってしまいそうな場合どうするかですが、まず最初の選択肢は二つです。

『注文を断る』か、それとも『更なる注文を受ける』のどっちか。

 

やはり注文は受けたいですよね。

受けるとすると次の選択肢はやはり二つです。

『ブラック企業になる』か、それとも『改善をしてホワイトになる』かです。

 

もちろんブラック企業になるという選択肢はありません。

ですから改善をしてより多くの注文を楽々こなせるようになる方を選びましょう。

 

じゃロボットの導入ですか?と思われるかもしれませんが、まずその前にやるべきことがたくさんあります。

今回は『人手不足というな。人不足と手不足に分けて考えよ』というテーマです。

 

人不足:技術者や技能者にしか出来ない仕事があり、それを出来る人が不足している。

手不足:アシスタントがいれば出来るレベルの仕事だが、そのアシスタントが不足している。

人不足は急にトレーニングをしても間に合いません。

しかし、人不足だと思っていた仕事 が、よくよく考えると手不足だったというケースが多々見られます。

その場合には、手の空いた人間がサポートに入ることにより、問題は解決できます。

この見方で仕事が間に合うようになるケースは多いのです。ご参考になさってください。

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◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。