これからの変化の時代に向けてのカイゼン【6】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【6】

今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所84】の解説です。

【急所84】製品づくりから魅力づくりに転換せよ。

 

昔の話ですが、まだケータイが出たての頃、テレビの宣伝で

「当社のケータイはビルの陰でもよく聞こえます!」

とか

「写メ(何のことだかわかりますか?写メールです。ケータイにカメラが付いていて撮った写真をメールで送れるということです)ができます!」

といったものがありました。

 

音が聞こえる、メールが送れるといった基本的な性能がまだ不十分であった時のことですが、今はもう当たり前なので宣伝の対象ではありません。

代りに現在はものすごく安い商品かものすごく魅力的な商品かに二極化しているように思えます。

 

品質には機能品質と魅力品質の二つの品質があります。

機能品質とは自動車でいうと「走る」「止まる」「曲がる」「故障しない」といった基本的な機能の部分の品質です。

 

一方、魅力品質とは両方とも故障しないでよく走るけど、こっちの車の方がスタイルがいいとか加速がいいとかイメージがいいといったことで、値段が高くてもどうしてもこっちが欲しい!といった魅力の品質をいいます。

ブランド力という言葉をよく聞きますが、これも魅力品質でしょう。

 

日本の市場はかなり成熟して来ていて、もう“丈夫で壊れない”ことで売れ続けるという時代ではありません。

「この商品はとても使い易いので、別のメーカーの商品の方が安いんだけど、やっぱりこっちを使いたい」、

のように言われ続けることが必要です。

 

皆さんの作っているモノを、改めて買う人の立場で評価して魅力を上げる改善もお願いします。

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◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。