これからの変化の時代に向けてのカイゼン【24】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【24】

【急所82】モノを捨てるとチエが出る。空間をつくるとアイデアが生まれる。

 

この号が今年の最終号になります。

一年が経つのは本当にはやいですね!

 

この時期になると多くの方が自分の仕事場やあるいは自宅の片付けを始められることと思います。

そこで今回は整理整頓の整理をテーマに選びました。

 

整理整頓は一つの言葉ではありません。

整理と整頓のそれぞれの意味ですが、整理は要らないモノを捨てること、整頓は要るモノを使い易く並べることです。

 

ご自分の家で整理をする場合は自身の判断で要るか要らないかを決められるので、このやり方でいいでしょう。

 

しかし会社のように多くの方々がかかわる場合は、要るかどうかの判断が人によって違うので決めるのに手間取ったり判断できなくなったりします。

 

そこで組織で行う場合は一定期間の中で使うか使わないかで分けて、使わないモノを捨てるようにするのがいいと思います。

 

その時に大切なことが二つあります。

 

捨てるのは簡単ですが、今日作ったり買ったりしたものが一年後の今日にまた捨てられてしまったらもったいないですね。

そこでどうしたらそうならないかのチエを出して作り方・買い方の改善をしてください。

 

そしてもう一つポイントがあります。

 

多くの方がモノをたくさん捨てて満足してしまうのですが、その反対側に大切な宝があるのです。

それは捨てられたモノが置いてあった場所です。

いかがでしょうか、スカッと空き地になっていませんか?

 

この空間がこれからの時代にとても大切なのです。

これからもっと多くのお客様を獲得し新しい仕事を始めることになるでしょう。

その時に必要なのは場所です。

ほとんどの工場は既に場所が狭いのです。

 

しかし整理をすることで場所が空くという発見は、お金を使わないで経営資源を手に入れられるということです!

ある一か所で場所が空いたら、全工場ではもっともっと場所が空くはずです。

 

世の中の変化を取り込んだ将来を見据えて、空間を広げて活用する経営のアイデアを生み出しましょう。

 

今年一年、大変にお世話になりました。

どうぞ皆様良いお年をお迎えください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【24】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。