これからの変化の時代に向けてのカイゼン【23】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【23】

【急所76】 モノの流し方を疑え。(2)

 

先回、私たちはついつい物事を習慣的に見てしまうし、考えてしまうといったことをお話しました。

 

例えばコンベアを使った自動車の組み立てラインを思い浮かべてみて下さい。

頭の中の組み立てラインではコンベアに自動車のボデーが進行方向・前向きに載って動いていませんか? 

 

あるいは電気モーターで走る電気自動車とガソリンエンジンで走る普通の自動車は別々のラインで組み立てられていませんか?

 

これまでの常識では自動車はコンベアの進行方向に向いて動くし、全く構造が違う車種は別のラインで組み立てられるものでしょう。 

 

しかし現在ではコンベアに対して横向きに置かれた組み立てラインができています。

確かにこうすることでコンベア全長が短くなるので面積や設備管理や投資額や管理等で有利な面が多くあるでしょう。

あるいは日産自動車追浜工場ではガソリン車と電気自動車は同じラインで同時に組み立てられています。

 

三菱自動車 横置きライン
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/653693.html

セントラル自動車(トヨタ自動車子会社)横置きライン
https://blog.still-laughin.com/archives/2011/01/post-5496.html

日産自動車追浜工場 電気自動車(リーフ)組み立てライン
http://www.nissan-global.com/JP/PLANT/OPPAMA/

 

これらは一回見てしまえば当たり前のように思えてしまうのです。

しかしそれまでなかった新しい考えを生み出し実現するのには相当のご苦労があったことでしょう。

こういうチャレンジングなアイデアとそれを実現するまで頑張るガッツはこれからの日本の製造業には極めて大切なことです。

 

先回お伝えしたE・C・R・Sを使って新しいモノの流し方を生み出しましょう!

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【23】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。