これからの変化の時代に向けてのカイゼン【12】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【12】

今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所44】の解説です。

【急所44】 仕事は教え方まで含めて「仕組み化」せよ。

 

今、この文章を読んでいる方は、全員が例外なく仕事を人から教わった経験をお持ちだと思います。

しかし、「仕事の教え方」を教わったことがありますか?

というとほとんどの方が教わったことがないのではないかとも思います。いかがでしょうか?

 

私は仕事で「仕事の教え方」を教える必要があるのですが、その場合は海軍軍人であった山本五十六元帥の言葉を暗記して使っています。

 

『やって見せて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ』

 

教えるべきしっかりした標準があることは前提として、まず先生がその仕事を声を出して説明しながらやってみます。

そして次に生徒にやってみてもらいます。

その時に生徒にも頭の中に残っている言葉を声を出していってもらいながらやってもらうと更にいいと思います。

そして最後にできたらしっかりとほめてあげます。

この教え方をしっかりと練習すると生徒の習熟のレベルがものすごく高まります。

 

日本にはこのやり方でものすごく成果を上げている学校があります。ご存知ですか?

自動車教習所です。

 

自動車の運転は誰もがやっている仕事の中で最も難しい仕事ではないかと思います。

しかし、それを40時間くらいの教習で国家資格が取れるまでに習熟できるのは、抜けのない教科書とこの教え方のお蔭だと思います。

 

皆さんの会社では誰がどういうやり方で新人作業者に仕事が教えられているでしょうか?

チェックしてみて下さい。

そしてこの機会に教え方のレベルを上げて、早く、そして深く仕事ができるようになるようにしてください。

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【12】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。