これからの変化の時代に向けてのカイゼン【11】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【11】

今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所43】の解説です。

【急所43】 作業を教えるな、仕事を教えよ。

 

現在、日本中で人不足、手不足です。募集をかけてもほとんど応募がない……との嘆きの声をよく聞きます。

そしてようやく応募があって採用したのだけれど、あっという間に辞められてしまった。というその次の嘆きも多いのです。

もし来てくれたら辞めないでほしいし、もし辞めないでいてくれたら早く育ってほしいものです。

このために必要なことが今回のタイトルにある『作業を教えるな、仕事を教えよ』だと思います。

 

仕事を教えるということは、例えば安全や品質についての基本的な知識や注意はもちろん、これから作るモノは何で、どういうお客様がどのような使い方をするかまでをしっかり理解してもらうことです。

 

そしてそれを作るための設備の役割や点検のし方、使う道具や組み付ける部品の意味も教えてあげて、最後に作業を通じて何を考えて行動するべきかを教えます。

 

すなわちこれから起きることに対して自ら考えて行動できる高い技能を持った人に育ってもらうための仕事の教育です。

これによって教わった人にも目指すべきレベルが分かり努力をして成長する喜びが得られます。

 

多くの職場ではOJTと称して手順や動作といった作業しか教えていないことも多いのですが、それでは本人のモチベーションは上がりません。

また応用がきかないので間違いが続き当人も会社も成長できません。

 

しっかり仕事を教える準備して、立派な仲間を育てましょう。

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【11】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。