これからの変化の時代に向けてのカイゼン【10】

これからの変化の時代に向けてのカイゼン【10】

今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所45】の解説です。

小さな仕事はパソコンで、大きな仕事は模造紙で。

 

先日、大阪府工業協会主催の「経営幹部・工場長のための工場経営研究会」の中の特別合宿が開かれ、講師として参加しました。

いつもは講師がレクチャーをして、約30名の参加者の方々はメモを取りながら聞いているという普通のセミナーなのですが、合宿は違います。

講師が1時間くらいレクチャーをしてその内容について5つの班に分かれた参加者の方々がそれぞれディスカッションして、その結果を発表ということを繰り返します。

 

ここでは皆さんが模造紙を囲んでワイワイガヤガヤとおしゃべりをしながら班の考えをまとめていくのですが、もしパソコンを使っての発表だと、誰かがキーボードに向かって書いていて、他の人はできるのを待っているといった感じになるので、ここまでは議論が盛り上がらないだろうなあと思います。

 

今回の議論テーマの一つに「若い人が会社をすぐに辞めてしまう」がありました。

最初は「今の若い人たちはこらえ性がない」といった批判的な目で見た議論から始まったのですが、それが徐々に「自分たちのころはOJT中心で体系的にしっかりとした教育を受けなかったので若い彼らにも同様な接し方をしているが、改めてしっかりと教育体系を作って教えていくべきだ」という結論へと変わっていきました。

ネットにそう書いてあったではなく、猛烈な議論を経てたどり着いた結果ですので、合宿から帰った皆さんはきっと何かを始めてくださっていることでしょう。

 

パソコンは正確性とか連携性は高いのでデータの集計や連絡には欠かせません。

しかし多くの人が連携して一つのモノを作っていくときには一覧性がないので今回のような議論はできません。

模造紙を使ったワイワイガヤガヤの議論は大きな仕事にはとても有効です。

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◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。