【Dの問題】在庫があれば簡単だけれど
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3.2 在庫があれば簡単だけれど
1章の最後に示した生産管理の全体像を思い出してください。
見てわかるように、この流れは営業活動から始まっていますね。
生産管理は営業の役割が非常に重要なのです。
生産管理で最も頭を悩ませるのは、
「短納期の注文にどうしたら応えられるか」
「増大する在庫をどうしたら抑えられるか」
ということです。
これらは、営業が工場と同じ視点に立って互いに協力し合わなければ、決して解決することができません。
営業マンなら、よくわかると思いますが、ほとんどのお客様は、ものづくりに時間が掛かることは考えません。
注文したらすぐに手に入るものと思っています。
つまり、短納期は当たり前のことと考えなければなりません。
さらに売る側としても、競争相手にお客様を取られてしまうのを恐れて、ムリをしてでも提供しようとします。
営業の気持ちとしては、在庫さえあれば、あとは単純に営業努力と考えた方が簡単です。
作る側も、営業さんが欲しがる在庫をどんどん作る方が簡単です。
あとは営業に頑張って売ってもらうだけですから、こんなに楽なことはありません。
しかし
さらに
笑いごとではありません。
在庫を作るためにはコストがかかっています。
お金と同じですから、簡単に捨てることはできません。
かと言って捨てないでおくと、保管の費用が余計にかかり、品質も劣化して商品価値がどんどん下がっていきます。
結局、最後は廃棄するしかなくなってしまいます。
こんなムダなことはありませんね。