【工場見学レポート】 IT活用で強みを磨く岩中製作所
こんにちは。テクノアの吉本です。
山口県岩国市に従業員23名の中小製造業ながら、積極的なIT活用に取り組み、経営改善に成功している企業があります。
今回はその「株式会社岩中製作所」様の取り組みと成果についてご紹介します。
株式会社岩中製作所
岩中製作所様は、1972年創業の板金製缶加工業です。長年蓄積してきた技術力と、設計から製造までの一貫生産体制により、「多様な要望への短納期対応」を強みとしています。
代表取締役 岩中 一雄 様(以下、岩中社長)は、社長を受け継ぐ前から一貫生産体制のビジョンを描き、先代と衝突しながらも生産体制の強化に取り組んできました。
IT活用に取り組むきっかけ
事業の拡大に伴って、Excelで管理していた「生産管理情報」は肥大化し、操作中にフリーズするなど、動作が不安定な状態になってきました。
製造業の重要資産である「生産管理情報」に不安がある状態では事業拡大は望めないと判断し、生産管理システムの導入検討を開始しました。
生産管理システム『TECHS-BK』の導入
岩中社長は、システム導入にあたって複数の生産管理システムを検討しました。個別受注中心の岩中製作所様には、部品加工業向け生産管理システムTECHS-BKが、最も適していると判断し、2011年12月にTECHS-BKの導入を決めました。
TECHS-BKの導入はスムーズに進み、2012年7月に稼働開始しました。その結果、システムで全ての生産管理データを管理する体制が実現でき、「重要資産が安全に保存できている安心感が得られた」と岩中社長は仰いました。
そして現場からは、
- 現場でのハンディターミナル実績入力による入力工数削減
- リアルタイムでの原価・工程進捗管理の見える化
といった改善効果が得られたとの声が挙がっております。
更なるIT活用へ
TECHS-BK導入から6年が過ぎ、TECHSによる生産管理も定着し、経営も順調でしたが、岩中社長は更なる経営改善を模索していました。
そのような時に、TECHS-BK開発元のテクノアより、『文書管理・図面管理システム デジタルドルフィンズ』と『カイゼンカメラシステム Sopak-C』の提案を受けました。「次はこれで改善だ」と社長は導入を決断し、2018年から更なるIT活用に取り組んでいきました。
『文書管理・図面管理システム デジタルドルフィンズ』
「デジタルドルフィンズ」は、中小製造業の枚岡合金工具株式会社が開発した文書管理・図面管理のシステムです。
この「デジタルドルフィンズ」導入で、重要資産である図面ファイルもデータベース化することに成功しました。その結果、現場では過去の図面や資料の参照、営業では見積時の類似図面検索が簡単に行えるようになりました。図面・資料を探す時間が大幅に短縮され、さらに業務がスピードアップすることができました。
『カイゼンカメラシステムSopak-C』
「Sopak-C」は、こちらも中小製造業の株式会社小林製作所が開発した、ネットワークカメラで現場作業を記録するトレーサビリティシステムです。作業現場の状況を正確に把握し、正しい評価や改善に活かすことができます。
岩中社長は「Sopak-C」の導入により、得意先からの管理レベルの高さの評価につながり、お客様も見学に来るほどになった仰いました。また現場では、不良発生時に原因を画像で検証することができるようになり、現場の改善活動に役立っていました。
IT活用により強みを磨く
岩中製作所様は、「多様な要望への短納期対応」を強みとしています。これを磨き続けることが岩中製作所様の更なる成長のために必要だと岩中社長は仰いました。
そのためのITを活用した効率化と改善活動はこれからも続いていきます。
<紹介工場>
◆株式会社 岩中製作所
山口県岩国市旭町3丁目5-33
<システム開発元>
◆株式会社テクノア
『TECHS-BK』多品種少量型 部品加工業様向け 生産管理システム
◆枚岡合金工具株式会社
『デジタルドルフィンズ』文書管理・図面管理システム
◆株式会社小林製作所
『Sopak-C』カイゼンカメラシステム