【動画】エアバスのインダストリー4.0 ウェアラブル活用でねじ締めをス...

【動画】エアバスのインダストリー4.0 ウェアラブル活用でねじ締めをスマートに

高度数千メートルの上空を時速800〜900kmで飛ぶ航空機は、最も過酷環境で動く機械と言っても過言ではありません。そこで使われている技術やノウハウは、とても高度で参考になるものばかり。
そこで今回は、航空機大手のエアバス社のスマートファクトリー、ウェアラブル端末活用の取り組みをご紹介!IoTを使ったスマートでインテリジェントなねじ締めツールです。

航空機には数え切れないほどのねじ(ボルト)が使われていて、しかも場所や用途によって径や素材が異なるいくつもの種類があります。保守メンテナンスの作業者にとってはそれらを覚えるのも一苦労。ですが、そこでのミスが重大事故につながりかねず、正しいねじを、正しいトルクで締めなければなりません。

エアバスが開発しているのは、スマートグラスと電動工具をIoTでつないだスマートツール。ねじの種類に応じて適切な締め付けトルクで締められるように電動工具を制御し、同時に作業情報をクラウドに送信して品質管理につなげようというものです。

■右手に電動工具、左手にスマートグラスを持ち、画面奥には制御用パソコン、その間にデモ用にねじ締めされたパネルがあります。ここでは、上段のねじを締める作業工程をイメージしたデモです。
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■スマートグラスの視線をパネルの上段にあるねじに合わせると、その種類を認識して電動工具に制御指示が送られます
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■上段のパネルに視線を合わせると、電動工具は動きますが、
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■下段のパネルに視線を合わせると、電動工具はスイッチを入れても反応しません
スクリーンショット 2016-12-05 午前10.03.08

これにより、
・トルク不足や過度な締め付け
・締めるべきねじの誤認識
・使用する工具の間違い

などをなくすことができるほか、

作業管理とも紐付いているので、

・締め忘れの防止
・作業時間の管理

などにも効果的です。

いま増し締めをした時はペンキでマーキングして締め忘れを防止したり、トルクレンチを使って適切なトルクで締めてミスを防止していますが、これらはすべて作業員の技量まかせになっています。エアバスでは、これをデジタル化して作業品質の向上を進めています。

スマートファクトリーでは、IoT技術を使って作業員の作業を支援し、より高品質で効率的な作業が、素早くできるようにします。このエアバスの取り組みはまさにスマートファクトリーです。

ちなみに、IoTのコンソーシアムであるIICでも、同様の実証実験プロジェクトを行っているとのこと。
IIC、TRACK AND TRACE TESTBED

参考:日本ナショナルインスツルメンツ、Airbus社が開発中のスマートツールのコンセプトデモ


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。