『2030年 世界はこう変わる』で頭の整理

『2030年 世界はこう変わる』で頭の整理

※2014年1月に書かれた記事です。

 

9日間の年末年始休暇が終わった。

と言っても、自営業(自由業)の私には関係ない。

いつもの通り犬の散歩をして、気になっていたことから順番にやっているだけである。

 

ちなみに今日最初にしたことは、e-Taxのための電子証明書申請の書類に必要事項を記入し、それに先だって発行してもらわなければならない住民記録カード用の写真をサイズに合わせて切り取ったことである。

年末年始の前半は主婦として忙しかったが、後半はのんびりできたので、買って読まずに置いていた本を読むことにした。

そのうちの一冊がこの本である。

 

『2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した“17年後の未来”』(米国国家情報会議、講談社)

読むのにかかった時間は4時間だった。

序文で立花隆氏が「本書を誤読する人と精読する人では大きな差がつくだろう」と書いているが、精読したとは言えないだろう。

でも、誤読もしていないんじゃないか。

 

本文は、3つの章に分かれている。

第1章は、4つのメガトレンド(2030年の世界を決める4つの構造変化)である。

 

① 個人の力の拡大

② 権力の拡散

③ 人口構成の変化

④ 食糧・水・エネルギー問題の連鎖

 

第2章は、6つのゲーム・チェンジャー(世界の流れを変える6つの要素)

① 危機を頻発する世界経済

② 変化に乗り遅れる「国家の統治力」

③ 高まる「大国」衝突の可能性

④ 広がる地域紛争

⑤ 最新技術の影響力

⑥ 変わる米国の役割

 

ここまで読んだ後、第3章でいくつかの物語が語られる。

これがとても面白い。

 

第3章は、4つのオールターナティブ・ワールド(2030年4つの異なる世界)

シナリオ1:「欧米没落型」

シナリオ2:「米中協調」

シナリオ3:「格差支配」

シナリオ4:「非政府主導」

 

2030年まであと16年。

私は81歳から82歳。

当然生きている(つもり)。

 

そんなに先ではない。

でも、ここに書かれている内容よりも大きな変化があるように思える。

言い換えれば、どのようなストーリーを描いても現在の延長線上でしか考えられないのでそれほど違和感はない。

 

精読しても誤読しても、それほどの違いがあるようにも思えないのだが。

将来の予測は難しい。

でも、本書のように頭を整理することは過ちを最小限にする道かもしれない。

 

※2014年1月に書かれた記事です。


1948年東京生まれ 石田厚子技術士事務所代表 東京電機大学情報環境学部特別専任教授 技術士(情報工学部門) 工学博士 ◎東京大学理学部数学科卒業後、日立製作所入社。コンパイラ作成のための治工具の開発からキャリアを始める。 5年後に日立を退職し、その後14年間に5回の転職を繰り返しながら、SEなどの経験を通じてITのスキルを身に着ける。その間、33歳で技術士(情報工学部門)取得  ◎1991年、ソフトウエア開発の生産性向上技術の必要性を訴えて日立製作所に経験者採用。生産技術の開発者、コンサルタントとして国内外にサービスを提供  ◎1999年 企画部門に異動し、ビジネス企画、経営品質、人材育成を担当。57歳で「高い顧客満足を得る商品開発への影響要因とその制御」論文で工学博士取得  ◎2007〜13年、日立コンサルティングでコンサルタント育成に従事。「技術者の市場価値を高める」ことを目的とした研修を社外に実施  ◎2013年 65歳で日立コンサルティングを定年退職し、石田厚子技術士事務所を開業。技術者の市場価値を高めるためのコンサルティングと研修を実施  ◎2014年 東京電機大学情報環境学部の特別専任教授に就任