『新訳 成功の心理学 人生の勝者に生まれ変わる10の方法』で成功とは何かを考える
女性の活用が盛んに叫ばれている。管理職の女性比率を上げる、役員の女性比率を上げる、リーン・イン、育児休暇を3年にする、それでは長すぎる……などなどかまびすしい。
私自身は、いわゆる大企業で管理職までは行くことができた。まあ、その時点では、自分は人生の成功者か(?)とちょっぴり自慢する気持ちもあった。しかし、定年退職して何もなくなった今、そんなこと(つまり会社の中での地位)は何の意味もないものに思えてきた。
要するに、大切なのは地位ではなく「何をしているか」ではないのか。
大企業で役員になった女性も努力して獲得したという意味で素晴らしいのだが、今の私は、バングラディッシュやカンボジアなどでNPO法人を立ち上げてビジネスをしたり、学校を作ったりしている女性たちの方に共感を覚える。
成功するとは一体何だろうか。
今日の本は、『新訳 成功の心理学 人生の勝者に生まれ変わる10の方法』(ダイヤモンド社、デニス・ウェイトリー)である。
本書では、成功者、すなわち「人生の勝者」とは何か、それになるために何をすべきかを述べている。
では、勝者とはどんな人なのか。ここで、次の記述で目を開かせられる。
「真の”勝利”とは、ただ自分の持っている能力を、自分なりにとことん追求すること」
すなわち、誰でも努力次第で勝者になれるのである。誰にでも何かの「能力」はあり、それを活かせられれば成功者になれるはずである。
さらに、「成功するか否かを決定づけるのは、心構えである」という記述もある。持って生まれたものや育った環境ではなく、自分自身がどう自分を見つめ、どう行動するかにかかっているのだ。
世の中は自分でコントロールできないことで満ち溢れている。これまでもそうだった。これからもそうだろう。でも、自分でコントロールできないことにこだわって悩むのは時間の無駄である。思うようにいかないことを、世の中のせいにして努力を諦めたら何も成し遂げられない。
自分がすべきことは何か、自分ができることは何か、を徹底的に考え、実現に向けて努力する。ただそれだけ。何と潔いことか。
勝者になるための10の方法とは、
①積極的な自己認識
まずは、自分をよく知るということ
②肯定的な自己評価
自分を認めることで次に進める
率先した自己コントロール
非常に難しいけれど他者をコントロールするより可能性は高い
④モチベーションを高める
どうしたいのか、が明確でないとモチベーションは生まれない
⑤大胆な自己期待を持つ
ゴールを思い描いてひたすら走る
⑥どん欲な自己イメージづくり
潜在意識の中に成功している自分を刷り込む
⑦明確な目標設定
このあたりから具体的な計画作成に移る
活発な自己訓練
何をするにもイメージトレーニングは有効
⑨豊かな人生観を描く
まわりも幸せでなければ成功したとは言えない
⑩印象的な自己表現
自分の価値を伝えることで完結する
私の女性の友人たちは殆どが専業主婦である。学歴の高い彼女たちは、多くが自分の子供を東大に入れていて、言葉の端々にちょっとした優越感がにじみ出る。(私の考えすぎかも……)
私の男性の友人たちは、多くが大企業で結構よい地位に上り詰め、今は子会社の社長や相談役になっている。
リタイア後の生きがいについて心配する一方で、子供を妻に任せて仕事一筋できたことに後ろめたさを感じている。(それでついもういい年をした子供に甘くなったり、孫育てに力が入ったりする?)
成功者とはもっと違うところにあるのではないか。
「人生の勝敗は、最後の最後にならないと決まらない」と書いてある。
私は、子供を東大に入れることもできなかったし、会社では中間管理職で終わったけれど、本当の成功者になれる可能性はまだあるということだ。
自分は世の中にどのような価値を生むべきなのか、そのために自分には何ができるのか、とことん考えて進んでいきたい。
※2013年9月に書かれた記事です。