『品質でもうけなさい』8-5.最新管理手法オタク

『品質でもうけなさい』8-5.最新管理手法オタク

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8-5.最新管理手法オタク

【問題12】 最新の手法を使わなければ解決できないと思う。

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比較的名の知れた大きな会社でよく出会う光景です。

A君という名前にしておきます。何が気に食わないのか、なにかにつけて敵意をむき出してきます。

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まあ、やりにくいったらありゃしない。

A君の話を聞いていると、どうも、問題が大きければ大きいほど、それにつり合うくらいの高級な手法を使わなければならないと勘違いしているようです。

未知の特効薬を教えてくれるのがコンサルタントであって、だれもが知っているような基本手法しか話さないコンサルタントが胡散臭くて仕方がない。

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職場に帰っても愚痴ばかりで、協力する姿勢がまるでない。

これが続くようだと他のメンバーのモチベーションまで下げてしまいます。

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彼は一体どういう人物なのか、A君の上司にそっと聞いてみると

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それはちょっと信じられないなと思いながら、A君の同僚にもそれとなく聞いてみると、やはり

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なるほど、マネジメントが改善=手法と考えているなら、自ずと彼の評価は高くなるだろうなと少し納得。

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後学のために、どんな手法を教えてもらったの? って聞くと……

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勉強会はやったけど使ってないからだれも身につけていないわけです。

そうなると、一体何のための勉強会だったのでしょうか。

緊急を要する問題解決にこんな悠長なことをやっていては絶対にもうかりません。

 

手法を知っていることと使えることは違います。

前(6-2.相関関係を発見する)にもお話しましたが、問題の90%は基本手法で解決できます。

良い会社というのは、この基本手法を上手に活用できている会社です。

 

1以下のレベル(2-6.品質管理のレベル)で、いくら高級な手法を振り回しても、問題解決にはなりません。

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楽屋裏話 by『面白狩り』編集長

もしかすると、みなさんこの例を見て、おや? と思うかもしれません。

冒頭で、比較的名の知れた大きな会社でよく出会う光景だと言いました。

そんな有名な会社の管理レベルがレベル1以下だなんて……と思っていませんか?

 

はっきり言います。会社の大きさと品質管理レベルとは全く関係ありません。

小さくても素晴らしい品質の会社はたくさんあります。

逆に有名な大企業でつまらない品質問題に悩んでいるところもたーくさんあります。

 

大企業は大企業ゆえの変なプライドが問題解決を阻害している傾向があります。(こういうの「大企業病」と呼ぶんだそうで、その話をするとみなさん興味津々になりますが、面白がるばかりで病気の治癒を真剣に考えないこと自体が大企業病だと苦言を呈しておきます)

さて、この例に出てくるA君の場合、あまりに全体のモチベーションに影響するようであれば、状況を推進委員会に説明してプロジェクトから外すこともあります。

しかし、本当は彼のような人材が率先して問題解決の汗を流すような会社でなければいけません。

 

真の問題はマネジメントにあることに着目してください。

 

出典:『品質でもうけなさい』面白狩り(おもしろがり)


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。