『品質でもうけなさい』8-2.チェックリスト依存症候群
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8-2.チェックリスト依存症候群
【問題9】チェックリストが多すぎてチェックしきれない。
んなバカなって、笑っているかもしれませんが、似たようなことをしている会社は決して珍しくありません。
中には、リストの中身とボリュームに胸を張って自慢する会社もあります。
そこまでになると、これが問題だと理解させるまでがひと苦労です。
そういう会社の不良処理の様子をヒアリングしてみると、思った通り、前のページで紹介したような表面的な問題解決しかしていない。
問題が起きると、その都度新たな項目を追加していくものですから、チェックリストがどんどん立派になっていきます。
ご丁寧なことに、1回のチェックだけでは見落とすという理由で、ダブルチェック、トリプルチェックと、どんどんチェックを増やしていく会社もあります。
こんなことをマジな顔をしてやっていたら、もうからないのが当たり前です。
もし、どうしてもチェックしたいというなら、再発防止のために少なくとも下のような条件が必要です。
ヒューマンエラーを防止するつもりでチェックリストを作っても、その中身が充実すればするほど逆にヒューマンエラーを誘いやすくなります。
はっきり言って、チェックリストは設備の定期点検とかまれに実施する品質監査みたいな場合には有効ですが、日常の業務の中で使うのは間違っています。
こんなバカバカしいことはさっさとやめて、一刻も早く問題の深掘りと抜本的な対策を打たなければいけません。
会社の利益が減る一方です。
処方箋は改めて言うまでもありません。
4~7章でお話した基本ステップを踏んで問題解決を進めるしかありません。
楽屋裏話 by『面白狩り』編集長
チェックで再発防止するための必須条件……じっくり見ていただければ、こんなに仰々しく述べなくても、だれでも少し考えれば思いつくような当たり前なことを羅列しただけなのがわかると思います。実際のセミナーでもこれと同じスライドを見せながら話をするのですが、レジュメには載せてないものだから、受講者のほとんどが話そっちのけで必死で書き写そうとします。
チェックはもうからないよって言ってるそばからこれなんで、ホントにみなさんチェックが好きなんだなぁと呆れるばかりです。チェックリスト依存症候群なんて病気みたいなタイトルを付けたのは、そういうことなんです。
あなたは大丈夫ですか?