『品質でもうけなさい』7-3.試行錯誤・ひらめき……快感!
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7-3.試行錯誤・ひらめき……快感!
いかにしてアイディアをひらめかせるか?
ニュートンの万有引力の法則、アルキメデスの浮力の原理等々、昔から科学の偉大な発見はひらめきによってなされたものが少なくないという事実を知れば、バカにはできません。
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寝ても覚めても真剣に問題を考えていると、突然、目の前がパァっと開けるようにアイディアがひらめく……私もそんな経験があります。
その瞬間、ものすごく気分が良いんですね。
こういうのをAha体験と呼ぶそうです。
よく知られている例ですが、次の問題を考えてみてください。
オフィスビルのエレベータの前で人が待っています。
あるとき、このエレベータが来るまでが長く感じられるので何とかならないかと改善を求められました。
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IEやQCを勉強した人は……
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とまあ、こんなふうに得意の手法を駆使して分析を始めますが、膨大なデータ資料を作ったところで満足してしまうんです。
肝心の対策はというと、結局メンテ担当者任せです。
そこで、発想を変えてみましょう。
思い込みや先入観は禁物です。
もう一度問題をあるがままに捉えて、その本質を考え直してみると、IEとかQCとは色合いが異なる答が見えてきます。
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この例は原因までさかのぼっていますが、実際に対策を考えるというのは、こんなふうに行ったり来たりで、型にはまった方程式などありません。
この試行錯誤の繰り返しがひらめきを生むのです。
ただし、いくらひらめきが重要といっても、思いついたらすぐ結論を出してしまうというのはいただけません。
その後の検証・検討をしないと的外れな対策、高価な対策になりかねないからです。
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脳科学者によれば、脳というのは考えれば考えるほどクリアになっていくと言います。
考えている時間というのはとても贅沢な時間です。
そして、会社の職場は考えるネタ=問題の宝庫です。これを放っておくなんて本当にもったいないと思いませんか?
楽屋裏話 by『面白狩り』編集長
私はよく、決め打ちは問題解決をつまらなくするなんて言い方をします。
思いつきをそのまま対策にして成功することもありますが、検証・検討なしで突っ走ると的外れな対策になることが圧倒的に多いです。
しかし、それ以上にいただけないのは、最初の思いつきで先入観を作ってしまい、それ以上問題を考えなくなってしまうことです。考えることをやめてしまうと遅かれ早かれボケが始まります。
冗談ではありません。気が付いたときには、あなたの職場はそこら中ボケだらけになっているかもしれません。
実際のセミナーでは息抜きを兼ねて、いろいろクイズをを出して頭の体操をするところですが、ここでは省略します。