『品質でもうけなさい』7-1.最初から管理を考えるな
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7-1.最初から管理を考えるな
問題はわかった、調査した、分析もした、原因もわかった、さあ対策だってんで
……ときたもんだ。
それじゃ管理になってないよって言うと困った顔をして黙りこくってしまう。
もしかして管理の意味を知らないんじゃないかと思って、管理ってどういうことだと思う? って聞くと、
そうじゃなくてみんなもよく知ってる4つのアルファベットって言うと、ようやくハッと気が付いて
答えてくれるんならまだマシな方で、PDCAって知ってる? って聞くと
やっぱり、横文字の羅列は良くないなあと思いながら、この会社の課長さんにこのやりとりを話すと、こりゃわが社のコケンに関わるとでも思ったのか
それじゃあ、改めて管理って何か? って聞くと、噛みついてくるだけあってまともなことを言います。
そう。管理の定義はそのとおり。
で、管理を強化するっていうのはどんなことをするつもりなの? って聞くと
それでやるっていうので、まあ、しばらくやってごらんと様子を見ていたら、案の定、一週間もたたない内に別の問題が発生してそれに全員掛かりっきりになってしまいました。
前の不良のチェックと教育はどうするの? って聞くと、情けない顔をして
ここで気付けば良いのですが、残念ながら同じことを繰り返すんですね。
そう、管理というのは時間がかかるものなのです。時間がかかる=コストがかかるっていうことです。
さらに、管理のための機材とか諸経費も計算に入れると、管理は本当に問題解決の対策として適切なのか? と気付かなければいけません。
こんなことを言うと、管理をバカにしているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
とんでもない! こんなに頭を使って手間がかかることはありません。
しかし、きちんとやれば確実に結果を出せる……そういうものです。
管理には金がかかるということを決して忘れないでください。
まず、管理しないで済む方法を考えるこれが対策を検討するときの基本姿勢です。
管理を対策にするのは、緊急に対応しなければならない場合とか、十分検討したがどうしても有効な対策がなく最後の手段で行う場合だけです。
やむを得ず管理をする場合は、改めて最小限のコストで済む管理方法を考えなければなりません。
楽屋裏話 by『面白狩り』編集長
みなさん、何か問題が起きるというとすぐ、管理しなくちゃいけない、管理だカンリだと、口癖のように言います。
管理の意味をちゃんと知っていれば、こういう人は問題解決をマジメに考えていないと言われても仕方がありませんが、どの会社でもほとんどの人がカンリカンリと口にしますから、だれもこのことに気付きません。
管理しか問題解決の対策がない会社、これは間違いなくレベル1(2.6参照)以下の会社です。