『品質でもうけなさい』4-3.マネジメント不在は挫折する
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4-3.マネジメント不在は挫折する
前章で改善も仕事の内だという話をしました。
だからといって明日からみんなニコニコ改善に精を出すというものではありません。
OJT(on the job training:職場内訓練)でそうではないことを理解させなければなりません。
一方、経営者・管理者もただ改善しろと叫んでいるだけでは何も動き出しません。改善の動機付けをするためのマネジメントが必要です。
実効性のある改善活動を展開するためには、やはり目標を決めてプロジェクトのような形を取るのが良いと思います。
そんな大げさなものでなく、日常的な自主活動という場合でも、下に示すような改善を円滑に進めるための組織と責任を明確にしておくことが不可欠です。
経営者・管理者の中には、もっと当事者の自主性を重視したい、もっと自由にやりたいと考える人もいるでしょうが、このような組織と責任を曖昧にしておいて改善成果が得られるとは決して思わないでください。
実際、プロジェクトのキックオフで立派な演説をしますが、 後はすべてコンサルタント任せなんていう会社も少なくありません。
まるで改善はコンサルタントがやることのように思っているみたいです。
5W1Hのだれ(Who)はみなさんです。
改善活動におけるコンサルタントの責任なんて鼻くそみたいなもので、当事者、特にマネージャーや推進委員会の責任が非常に重要なのです。
極論すれば、こういった活動のマネジメントがしっかりしていれば、コンサルタントなんていらないのです……なんて言うと私の商売あがったりですが、本当のことです。
次回はそれぞれのマネジメントについて少し掘り下げてお話します。
楽屋裏話 by『面白狩り』編集長
もしこれが些末な話に思えるようでしたら、生産性や品質の改善以前に、マネジメントに大きな欠陥があると思ってください。
その状態のまま、改善活動を進めても数ヶ月、いや数週間で熱が冷めてプロジェクトが崩壊しますよ。
……と、強く警告するのは、私自身、このような組織と責任がしっかり認識されていなかったために改善活動が中途挫折した例を何度も経験しているからです。