『品質でもうけなさい』2-4.品質は件数では見えない
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2-4.品質は件数では見えない
【問題2】改善で不良件数は減ってきているのに品質が良くなった実感が全くない。
これは、比較的熱心に品質改善活動を進めている会社の例です。
現場の係長・リーダーは目標を順調にクリアしている活動に満足しています。部下とのコミュニケーションも活発で職場内のムードは悪くありません。
にもかかわらず、課長以上の管理者の悩みは……
これは、品質の捉え方を間違えている典型的な例です。
上のグラフは次のように表すのが正しい。
不良件数は削減できているかもしれませんが、不良損失で見れば、品質はちっとも良くなっていません。
つまり、こういうことです。
品質を評価する場合、手っ取り早く数値に置き換えられるので、不具合や苦情の件数を使おうとします。
結構多いです、こういう会社。そして、ほとんど共通して例のような悩みを抱えています。
コストの把握が簡単ではないという理由で代替的に件数を使っているところもありますが、件数評価に甘んじている限り、品質改善が実感を伴う成果を上げることはムリです。
品質=損失(コスト)なのですから、改善の評価指標はコストでなければ、期待する成果は得られません。 それどころか、コストで改善目標を掲げてごらんなさい。その方が強烈な動機付けになります。
そこで、どのようにしてコストを捉えるかということについて考えます。
実は、品質コストの把握は、そんなに心配するほど難しくはありません。
楽屋裏話 by『面白狩り』編集長
不良を件数でなく、台数や重量で捉えているところもあります。
惜しいことに、そこから不良率を計算するだけで終わっている例をよく見かけます。
これに製品ごとの単位当たり売価を掛ければ、大まかな不良コストが得られます。
決して十分とは言えませんが、これを品質の評価指標に置くだけでも、かなり品質改善の取り組み方は変わってくるでしょう。