『品質でもうけなさい』プロローグ
品質「補償」活動・「お祭り」品質管理に決別を! 品質問題の本質と解決の考え方を豊富なイラストでやさしく解説します。
※当コンテンツは『面白狩り』の提供でお届けいたします。
はじめに
「品質」をキーワードにして、インターネット検索をかけると6千万件近く(……日本の人口の半数!)のサイトがヒットします。
『面白狩り』はその6千万分の1のサイトです。
検索ページの初めの方は、なんとか協議会とか○○学会とか△△研究所とか、いろいろなオーソリティが名を連ねていて、一般によく知られている法人でも数ページめくらないと出てこないくらい、その数の多さに圧倒されます。
『面白狩り』はたぶんその6千万件のほとんど最後の方の1件でしょうから、幸か不幸か今ここを見ているあなたは、かなりの強運の持ち主(?)かもしれません。
でも、もしあなたが学術的な品質の理論とか、品質管理手法の詳細な解説を求めて、このサイトにたどり着いたのでしたら、大変申し訳ありませんが、他のサイトに行かれることをお勧めします。
私は学者ではありませんから、学問的なことはもっとエライ先生に聞いてください。
6千万件の中には、とても良心的に解説されているサイトがたーくさんありますし、しっかりした参考書が日本規格協会や日科技連などから市販されていますから、それらを手に入れる方が確実で手っ取り早いです。
ご遠慮なく、どうぞそちらの方へお向かいください。
『面白狩り』とは
まだ、この記事に目を落としていただいているとしたら、ちゃんと『面白狩り』の紹介くらいはしなければいけませんね。
まず、このコンテンツにご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
私(『面白狩り』編集長)は、生産関係のコンサルティングをやっています。
「なーんだ、コンサルのPRサイトか」って思われたら、否定はしません。
ご要望があればいつでも承りますよ。
しかし、『面白狩り』はあくまで私個人のサイトで、私の遊び心で作っているものですから、あんまり話を固くするつもりはないんです。
とはいえ、品質なんてテーマ自体が決して柔らかいとは言えません。
「品質管理」について
ご存知のように、品質管理と言えば日本企業のお家芸みたいなもので、日本経済をここまで発展させた基本は品質にあると言って異論をはさむ人は少ないでしょう。
世の中、立派な専門家・オーソリティがたくさんおられますし、企業の中にも学者顔負けの知見を持った人はたくさんいます。
今さらかしこまって、どこの馬の骨かもわからないようなコンサルタントが、エラそうに品質を語っても笑われるだけです。
実際、品質専門誌や専門サイトのトピックを見れば、日本の品質はますます充実していくような景気の良さを感じます。
かつては、どこもかしこもTQC、QCサークルの花盛り、その後もTPMだ、いやこれからはTQMだ、下火になってくると今度はISOだ、CSだ、経営品質だ、グローバルスタンダードだなんやかんやと、イベントのようにブームを繰り返して、品質の話題だけはエネルギーというかパワーを感じます。
今でも新しい名前の手法や、経営理念に関するようなハイレベルな考え方が色々出てきて、私なんか勉強が追い付かなくて焦る一方……というよりほとんどあきらめ状態です。
それくらいキンキラキンで華やかな品質なのに、なんでこんなに世間を騒がすような問題が頻発するんだろうって不思議に思いませんか?
建物耐震偽装、食品不当表示、湯沸かし器事故、自動車リコール、不良ファンヒーター、欠陥テレビ等々、品質問題が新聞紙上に載らない日はありません。
品質が良いのは当たり前でなくちゃいけない……みなさんまじめな顔で言います。
その割には、ことあるごとに冒頭に並べたような意見……検査で品質が良くなるとか、注意して作業すれば品質確保できるというような、メチャクチャな意見に触れることが多いので、これはひょっとすると、みんなイベントやブームにのまれて、実は基本的なことが全然わかっていないのかもしれないぞって思うようになってきたんです。
『品質でもうけなさい』のはじまり
あるとき、品質に関するセミナーを企画してくれないかという話が舞い込んできたので、丁度良い機会と思い、品質の基本の基本とも言えるくらい初歩的な内容からまとめてみることにしました。
「品質でもうけなさい」というタイトルが受けたのか、意外にたくさんの受講者が集まり、内容も好評で数社から社内研修の引き合いをいただいたくらいなので、やはり、品質の基本を見つめ直す必要性は高いと言えそうです。
うれしいことに、社内研修を行ったある大手企業で、セミナーの内容を出版する予定はないのかという質問がありました。
もちろん、本になって多くの人の役に立てばこんなにうれしいことはありませんが、以前、出版関係の人に聞いた話では、本が売れるかどうかは中身でなくすべて宣伝で決まるんだそうで、売れる本にするためには何百万、何千万もの宣伝費を投じて元を取るんだとか。
そんな大金持っていませんから、そんなもうからないことはやりませんと答えたらとても残念な顔をしてくれたので、その内ホームページにでもまとめますよって約束した結果が、このコンテンツというわけです。
ただし、実際のセミナーは受講者とのやりとりやアドリブ、事例も入ってきますので、章立てや問題の掘下げ方は少し違っています。ま、セミナーというよりエッセーみたいな気持ちで書いてます。
……というわけで、6千万分の1の小さなサイトですが、6千万分の1の確率で宝くじに当たったようなものと思って(そんな大げさなもんでもないか……)見ていただけたらとてもうれしいです。
基本的な話とはいえ一気読みはたぶん疲れますから、少しずつ読み進めていった方が良いと思います。誤字脱字を見つけたり、ご質問があればメールでご連絡ください。よろしくお願いします。