『リーダーシップの旅』読む価値あり
これからのビジネスを推進していくためにはプロデューサー的な人材が必要である、と言われて久しい。
そのような人材は、多くの専門家を集め、それらの人々の支援で目的を達成できることが求められる。
それこそ、リーダーシップを持つことが必須ではないのか。と考えた。
さて、リーダーシップとは一体何だろう。
それは研修やトレーニングで身に着けられるのだろうか。
と考えたとき、自分が何もわかっていないことに気づいた。
私自身はリーダーシップ(という得体のしれないもの)にあこがれを持っていた。
裏返せば、自分にはそれは無いと内心思っていたのだろう。
でも、65年の人生のうち、数えるほどだが、リーダーシップを発揮できたような時があったようにも思う。
リーダーシップとは、先天的なものではなく、かといって訓練で身に付くものでもないようだ、とおぼろげながら感じてはいた。
ふと手にした本がこれである。
約7年前に出た本である。一気に読んでしまった。
野田智義、金井壽宏著『リーダーシップの旅 見えないものを見る』(光文社新書)
カバーに書かれた言葉が、まさに本書の内容のすべてを語っている。
リーダーシップは、本を読んで修得するものでも、だれかから教わるものでもない。
それは私たち一人一人が、自分の生き方の中に発見するものだ。
リーダーシップはだれの前にも広がっている。
何かを見たいという気持ちがあれば、可能性は無限に膨らむ。
自らが選択し行動することで、人は結果としてリーダーと呼ばれるのだ。
企業のトップマネジメント層の多くがリーダーシップを持っていないように見えるのは、彼らが、マネージャーとしての最高位に上り詰めた結果トップになっているのであって、リーダーであるかないかは別であるからなのだろう。
リーダーになるには、まず高い志が必要なのだ。
そして、たった一人でも自分の信じた道を歩み出さねばならない。
その強い思いが共感を呼べば、ひとり、ふたりとついてくる人が出てくる。
そして、結果としてリーダーが誕生する。
昔のトップの多くは、前任者の路線を守りぬくことが大前提だったように思う。
これではリーダーにはなれまい。
多分これからのリーダーは、過去のしがらみや常識に囚われない若い人が中心になってくるのではないか。
※2013年12月に書かれた記事です。