「見える化」とは機械仕掛け
機械工場では、機械加工した部品を組付ラインで組付けて、アクスルとかミッションとかの大物部品を作る。
私がトヨタに入社する前の事例を紹介したい。
組付ラインの先頭で、これから作る種類が、指令室から指示される。
その指示に従い、最初の作業者が、移動していく作業台の横に、その種類が分かる「旗」を立てる。
その旗を見て、各工程の作業者が、その種類を認識し、必要な部品を選択する。
さらにその旗の軸にも、長短を付けて、それがリミットスイッチを打つか、打たないかで、自動部品供給装置などに指示を出す。
このような発想の上に、さらに、ポカヨケを付加していけば完璧だ。
私はこの事例は見たことがないが、このような現場を見たら、ディズニーランドを見ているようで楽しくなると思う。
多くの企業はこの「見える化」の発想から入っていく必要がある。
しかし、機械→電気→電子、と進むと見えなくなってしまうことに注意が必要だ。
旗なんと21種類も、旗で識別している。
この涙ぐましい努力を見て欲しい。
軸旗の軸の長短で、機械に指示を与えるのだ。
ここもポカヨケで補完すれば完璧だ。
このようなカラクリの中で作業をしていれば、作業者自らも「もっとすごいカラクリを考えてやろう!」という気になる。
単調な繰り返し作業でも、頭の中はいろいろ考えながらフル回転だ。
経営者、管理者、監督者は、このような方向へ動機付けをするのが、本当の使命だと思う。