「見える化」できない人の心。技術者の本音が見える現場川柳
センサメーカーのオプテックス・エフエーが実施している「現場川柳」の第3回の募集が開始された。製造現場の悲喜こもごもが17文字に盛り込まれ、毎年楽しみにしているイベントだ。
ちなみに昨年の大賞は
「ライバルは 昔同期で 今はロボ」(さごじょうさん)
人が行っていた作業がロボットで自動化されるなか、技術者の焦る心情と哀愁が心に響いてくる。
俳句と川柳の違い。人の心の叫びを詩にする川柳
川柳は、その当時の世相や人を映し出す。同じ五・七・五の音数律を持つ俳句と並べてみると、その違いがよく分かる。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」(松尾芭蕉・俳句)
「妻の口 一度貼りたい ガムテープ」(綾小路きみまろ・川柳)
俳句は人をしみじみとさせ、川柳は人をクスッと笑わせてくれる。
実際に、川柳と俳句では具体的になルールも異なるそうだ。
俳句は
- 自然が対象
- 季語を必ず入れる
- 文語で表現
川柳は
- 人が対象
- 季語にはこだわらない
- 口語で表現
さらに、それぞれ「詩を作る」という行為を、俳句では「詠む」、川柳では「吐く」「ものす」と表す。川柳は、人の心の声を吐き出すようなイメージだ。
人の心とIoT 技術者の今を切り取る現場川柳
IoT時代、データが重要と言われるが、ほとんどの場合、それはセンサデータを指す。しかし数値に表せないデータもたくさん存在する。人の心はその最たるもので、これをどう扱うかでIoTの進化は大きく変わってくるだろう。。この現場川柳は、投稿作品すべてが日本の製造業の今を現す貴重なデータである。まさに今、現場の技術者が抱えている悩みや課題、普段から思っていることが浮き彫りになり、彼らの本音を垣間見ることができる。
とはいえ、そんな堅苦しく考えなくても、作品を見ればクスッと笑える。ちょっとした癒しというだけでも十分な価値がある、今年はどんな作品が投稿されてくるのか、とても楽しみだ。