「糸」と一言でいうには、種類が多すぎます!|ラオス縫製工場の日常
※当コンテンツはCBC Laoの提供でお届けいたします。
CBC Laoは小ロット・多品種を得意とする縫製工場で、その悩みの一つに、糸の管理があります。
各シーズンごとにどんどん糸の種類が増えていく。。。衣類を取り巻く業界の人たちの目はとても良いですし、デザイナーさんは小さな色の違いにこだわります(当然ですね!)。
という事情もあり、たくさんの色の在庫があります。といっても、次のような写真の糸のカタログの糸がほとんど揃っているかというと、まだままだです。色の色の種類って本当にたくさんあります。
今日は、糸について紹介します。糸にには色以外にもいくつか分類方法があるので、順番に紹介していきます。
1.長繊維か、単線維による分類
糸は繊維の長さから、長繊維(フィラメント)糸と短繊維(スパン)糸に分けられます。長繊維(フィラメント)糸の代表は絹やナイロンの糸、短繊維(スパン)糸の代表は綿や羊毛、麻の糸になります。短繊維(スパン糸)は、繊維が短いのでこれを合わせていき糸にしていきます。この過程のことは紡績と呼ばれます。
ポリエステルの糸は、元々が石油からできているので、長くカットすれば長繊維(フィラメント)糸になります。逆に、短くカットしていき、それを合わせて糸にすれば短繊維(スパン)糸ということになります。ポリエステルの糸には、長繊維(フィラメント)糸と、短繊維(スパン)糸があるようです。
また、ポリエステルの長繊維(フィラメント)糸と綿の短繊維(スパン)糸を混ぜた混合素材の糸もあるようです。
2.天然素材か、化学繊維かによる分類
天然素材の糸には、絹や綿、麻、羊毛などがあります。化学繊維の糸には、ポリエステルやレーヨン、ナイロンなどがあります。
3.糸の太さに分類
☆長繊維(フィラメント糸)
デニール(d)やデシテックス(dtex)を使うことが多いようです。デニールは、9,000メートルの糸の重さが何グラムあるかで表します。
9,000メートルで2グラムのいとは、2デニール(d)の糸となります。デシテックスは、10,000メートルあたりの重さが何グラムあるかで表します。10,000メートルで2グラムの糸は、2デシテックス(dtex)の糸となります。
数が大きくなるほど、糸の太さが太くなります。
☆短繊維(スパン糸)
メートル番手と英国式番手を使うことが多いようです。メートル番手は、1グラムあたり何メートルの糸ができるかで決まる単位です。1グラムで10メートル取れる糸は10番手、1グラムで20メートル取れる糸は20番手となっていきます。
また英国式番手とは、糸の重さ1ポンド(453.6グラム)で840ヤード(768.1メートル)とれる糸を1番手、1680ヤード取れる糸を2番手としていきます。1グラムで、1.69メートルあれば、1番手というに考えることもできます。
数が大きくなるほど、糸の太さが細くなっていきます。
どの色の太さの分類法も糸の重さを基準にしているので、素材によって同じ数字や番手であっても、長さが変わってきます。
そして上のデニールやら、メートル番手やらに、さらに計算を加えるので、各国で、同じ数字であっても糸の太さが変わってきます。日本とタイの糸では、数字が同じでも太さが違います。
製糸業を営む会社は日本もたくさんありますが、CBC LaoはタイのGolden Thred社の糸を使っています。
その中でも、CBC Laoで主に使っているのポリエステルでできた短繊維(スパン)糸を使っています。下の写真でいうと、一番右の赤い糸と同じ種類の糸がたくさんあります。糸の太さには、細い方から180番、120番、30/3番、30/2番、20/3番などがあります。
※タイの糸の太さの計算方法は、今度調べてまた、紹介します。
ところで私は、この業界で働くまで、実は綿100%デニムには当然のように綿の糸が使われていると思っていたのですが、デニムび綿の糸が使われることはほとんどありません。
持っているデニムのパンツをみていただきたいのですが、洗ってもデニムの色が糸に移ってないですよね。それはポリエステルの色でできているからなんですね。
ポリエステルの糸は、色移りはしません。