「ムダ」を楽と楽しさに変える楽々改善:誰にも聞けない「トヨタ生産方式」【まえがき】
誰にも聞けない「トヨタ生産方式」現場改善コーチが伝授します
【まえがき】
部屋の本が増えたので、20世紀に出版された本から処分しています。
特に仕事に使っている本は、10年を超すと内容が古くなってしまいます。
そんな中で今でも活躍してくれている古い本が3冊あります。
2冊が1978年出版、1冊が1990年出版の古い本です。
3冊共に「トヨタ生産方式」の本です。
外観はかなりくたびれていますが、内容はいつ読んでも新しく感じるのです。
いつも、不思議に思います。
それだけ真剣に考えた上で、実際に試行錯誤した内容なのだと痛感します。
そんな「トヨタ生産方式」の本を書こうとするのは恐れ多いのですが、少しでもわかりやすいものを書きたくペンを取りました。
私は現場改善を専門にしているので、内容を理解することができますが、現場メンバーが理解するのは難しいと感じていたからです。
しかし、5Sリーダーをはじめ現場改善を行うメンバーにとって、とても重要な内容があり、必ず効果を出せると考えています。
何故、トヨタ生産方式、略して「TPS」は難しいのでしょうか?
一つは、トヨタ語というか、三河弁というか、独特の言葉が出てくることでしょう。
「あんどん」「水すまし」と聞いても、何のことか想像もできないため、そこで本を閉じてしまいます。
二つ目は、自動車の世界で書かれているため、違う業種だとそのままでは実現できないためです。
自動車は多くの部品を精度よく信頼性高く組み込む非常にレベルの高い組立を必要とします。
しかし、タイヤは4個、ハンドルは1個と、大物の部品点数の変動が少ない製品なのです。
TPSをそのまま、部品点数の変動の多い製品に応用すると、すぐにパニックになります。
つまり、TPSの思想を理解した上で、自社の製品の特長にアレンジする必要があるのです。
そのため、この本には「かんばん」はありません。
欠品を知らせる「発注かんばん」を入れても良いのですが、かんばんの本質ではないので、入れないことにしました。
ちょっと変わった、「かんばん」のないトヨタ生産方式の本を目指します。
つまり、TPSの理論を書いた本ではないのです。
TPSを、楽(らく)に楽しく活用するためのヒントをまとめていきます。
全ての内容を実施しないと効果が出せないのではなく、一つ一つの項目を実施できるようにしたいと考えています。
TPSを、「あなたの会社名+PS」にできるヒントにします。
製造業だけでなく、サービス業でも、どんな業種でも現場があれば効果を出すことができます。
さあ、あなた独自のTPSを考えていきましょう。
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