「ムダ」を楽と楽しさに変える楽々改善:セル生産方式の弱点は?
誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
セル生産方式の弱点は?
セル生産方式は、請負をはじめとする非正規社員化の増加と共に、日本から姿を消そうとしています。
「多能工」がセル生産方式の前提となっているためです。
本来、日本の強みであった多能工が、セル生産方式の大きな弱点になってしまったのです。
そのため組立工程は、自動化か海外生産にシフトしています。
実際に、私が開発したセル生産ラインでも、この状態になりました。
開発した時は社員で行ったのですが、次第に非正規社員化されてしまいました。
もちろん、正しく訓練を行えば、非正規社員がセル生産ラインに入れます。
しかし、毎朝ちゃんとラインのメンバーが揃うか、不安定な状態になってしまったのです。
しっかり作業配分したセル生産ラインは、一人でも新人が入ると、ガタガタになってしまいます。
ベテランの社員も配置転換して居なくなると、現場では対処できなくなってしまったのです。
そのため、現場の判断で、セル生産ラインから元のラインに戻してしまいました。
さすがに、コンベアには戻せないので、手てワークを送る直線ラインに戻ったケースが多いです。
セル生産方式のノウハウは、生産技術からも現場からも、どんどん消えていきました。
私の所属した会社では、スタートが遅かったので、セル生産方式を活用したのは、5年程度だったようです。
本当に、セル生産方式は、現代にマッチしない生産方式なのでしょうか?
もう一度、セル生産方式の強みを思い出してみます。
セル生産方式をひと言で言うと、「非定員制のラインである」ことでした。
その強みを活かせば、非正規社員が増加すれば、定員を増やして生産を行えそうな感じがします。
しかし、そのようにはなりませんでした。
それは、現場で作業配分をコントロールできなかったからです。
開発された通りの作業配分で、非正規社員で生産しようとしたので、ガタガタになってしまったのです。
もちろん、非正規社員の中には、すぐに作業できる人もいました。
しかし、大半は組立作業がはじめてという人ばかりであり、熟練に時間を要したのです。
現場で作業配分を変えることも難しかったので、熟練に合わせて変化させることができませんでした。
最初は、セル生産方式は、多品種少量生産に強いラインを開発したのです。
しかし、同時に生産性も上がってしまったので、生産性ばかり追求してしまったのが敗因でした。
そのため、作業配分がガチガチになってしまい、少しでもペースが乱れると大幅に生産性が低下してしまったのです。
どうすれば、現在の状況の中で、セル生産方式を活用できるのでしょうか?
参考書
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