「ムダ」を楽と楽しさに変える楽々改善:もっと少なくするには?
誰にも聞けない「在庫削減」 現場改善コーチが伝授します
もっと少なくするには?
リードタイム短縮を目標に現場改善を進めると、確実に在庫が少なくなります。
特に、製造現場にあった仕掛在庫は、どんどん減らすことができると思います。
でも、どこかで壁にぶち当たります。
「整流化」のリードタイム分析による在庫分析を行うと、実態に即した値を得ることができます。
その値を改善して仕掛在庫の削減を推進することができます。
しかし、改善の壁にぶち当たるのは、数字上ではもっと改善ができるのに実際には難しいという状態が発生するためなのです。
その大きな原因が、工場のレイアウトによることが多いのです。
例えば、次工程へ仕掛品を置きたいけれど、場所が全くなく遠くの場所まで運ぶ必要があるような場合です。
また、あるケースでは、次の工程への運搬の頻度を増やしたいが、建物が別であり運搬にかなりの時間が必要であることもあります。
別の建物で離れていると、往復するだけでも、数十分を要する場合もあるのです。
ほとんどの場合、1日に1回、多くても1勤務に1回程度の運搬頻度になってしまいます。
もちろん、無人搬送車を導入して自動化することも可能ですが投資を要します。
運搬担当の作業だけの改善では難しい場合がほとんどです。
根本的に改善しようとすると、レイアウト変更が有効な場合が多くあります。
しかし、レイアウト変更は、生産を停止しないと出来ないし大きな費用も必要になります。
しっかりを企画を行い、良いタイミングに実施する必要があります。
もっとも良くないケースは、現場を知らない生産技術などのスタッフが、パズルのように設計を行う場合です。
工場のフロアーに、単に機械を並べるだけの設計しか行わない場合です。
見分ける方法として、設計図をチェックするポイントがあります。
①モノの流れが書かれているか?
②仕掛品の置き場が、レイアウト図に書かれているか?
③仕掛品の標準の在庫量(何時間分)が書かれているか?
④運搬方法(台車など)と運搬頻度が明確になっているか?
なかなか、これだけのことを事前に考えるのは大変ですが、レイアウト変更には大きな費用がかかるので、前もって検討すべきです。
さらに、現場改善を行わずに、良くない状態のままでレイアウト変更するのは、非常にもったいない話しです。
しっかり、5Sを行い、現場が使わないものを減らした後で、実施するのが効率的です。
そのためには、スタッフだけでなく、現場メンバーもしっかりと参画して行うべきです。
特に、上記の②と③は、現場でしっかりとした考えを持つべきです。
スタッフでは分からない数字ですので、現場メンバーがスタッフに伝え、場所を確保してもらうのがベストです。
レイアウト変更は、在庫削減には大きな効果を発揮することは間違いありません。
でも、すぐにできるものではないので、スタッフと現場がしっかりと検討を行って実施すべきです。
かつて、私の先生が「レイアウトは100回書き直せ」と言っていました。
100回は根拠がありませんが、じっくりと検討することは、非常に重要です。
レイアウト変更は現場にとって大きなチャンスですので、うまく在庫削減につなげてください。
参考書
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