「ムダ」を楽と楽しさに変える楽々改善:【4】7つのムダとは?
誰にも聞けない「トヨタ生産方式」現場改善コーチが伝授します
【4】7つのムダとは?
TPSの基本思想は「徹底したムダの排除」です。そのため、ムダを徹底的に分析しています。そして、ムダを7つに整理されています。
「7つのムダ」は下記になります。
1.つくりすぎのムダ
2.手待ちのムダ
3.運搬のムダ
4.加工そのもののムダ
5.在庫のムダ
6.動作のムダ
7.不良をつくるムダ
作業でのムダは6ぐらいで、生産全体のムダを表しています。
経営活動全てにわたるムダと言ってもいいかも知れません。
実に重要な点を押さえています。
1.つくりすぎのムダ
最初に来ているのは、TPSでは最も重要なムダだと考えられているからです。
計画のない製品、つまり、注文のないものは、生産してはいけないということです。
あのトヨタでも過去に過剰生産により、非常に経営が厳しくなったことがあるためだそうです。
その経験から、つくりすぎを厳しく戒めているのです。
2.手待ちのムダ
材料がなくて生産できない状態です。機械の故障でも、後工程が手待ちになります。
トヨタでは、機械が自動で生産している時に、単に機械の監視をしているのも手待ちと考えます。
3.運搬のムダ
単に遠くに運搬するだけでなく、不要な仮置きなども含んでいます。
4.加工そのもののムダ
トヨタでは、加工そのものもムダがあると考えています。
例えば、ネジを4本締めるように図面に指示があっても、本当に4本必要か考えるそうです。
3本で強度が保証できるなら、図面を修正して、この1本のムダをなくすのです。
5.在庫のムダ
在庫は、ある程度は必要だと考えます。
トヨタ生産方式の「かんばん方式」も、基準在庫の上に成り立っています。
在庫は場所も必要だし、保管料も発生するので良くないと言われています。
しかし、本当に良くないのは、「問題点を隠してしまう」ためだと考えられています。
機械が故障しても、在庫があったから助かったというケースが多くあると思います。
すると、さらに多くの在庫を持とうとします。永久に機械の故障は、良くなりません。
在庫がなければ、機械が故障したら、一発で生産の遅れが生じます。
すると、懸命に機械の故障を治そうとします。これが重要なのです。
6.動作のムダ
作業の中での、歩行、しゃがむ、ねじれ、手をのばす、さがす、などの不要な動作です。
7.不良をつくるムダ
不良は、全ての付加価値をつけた製品や半製品を、分析やお客様への報告などに工数を使い、さらに、産業廃棄物としてコストをかけて廃棄するものです。
これほど、残念でもったいないものはありません。
「7つのムダ」には、非常に深い意味があるのです。
トヨタは「徹底したムダの排除」を半世紀以上も継続することにより、あれだけの高収益企業になったのです。
参考書
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