「ムダ」を楽と楽しさに変える楽々改善:「脱の自動化」とは?
誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
「脱の自動化」とは?
「脱」とは、取り出しのことです。
つまり、「取り出しの自動化」を行うということです。
この内容は、セル生産方式の生産性を、さらに上げたいときに有効な方法です。
組立をおこなう際、治具を用いて行います。
治具にワークをセットして、加工を行い、治具から取り出すという一連の作業を行います。
加工は数秒で終わっても、セットと取り出しに、おなじ位の時間がかかってしまいます。
加工している間は、他の作業が出来ません。
これを改善するのが、「脱の自動化」と「動く治具」なのです。
例えば、ワークを曲げる治具を用いる工程で考えてみます。
治具にワークをセットして、治具のレバーを引いて曲げを行い、ワークを取り出します。
治具にワークをセットするのは、位置決めが必要なので、変えるのは難しいです。
まず、「動く治具」を行います。
レバーの代わりにエアーシリンダーやモータを取り付け、スイッチを押すと自動で曲げを行うようにします。
こうすると、ワークをセットし、スイッチを押すと、作業者は次の工程に行くことができます。
かなりの時間短縮になります。
この「動く治具」のことを「LCA」(ローコスト・オートメーション)といいます。
さらに、「脱の自動化」を行います。
治具にセットされたワークは取り出しにくいので、エアーシリンダーなどで治具から取り出しを行うのです。
すると、ワークが取りやすくなります。
必ず、その工程が完了したものだけが、治具から取り出されていることになります。
実は、曲げの場合は、目視で判断できますが、できない場合もあります。
例えば、検査です。
検査で合格すると、マーキングしなければ、目視では判断できません。
もし、治具にセットして、スイッチを押すのを忘れたら、検査しないまま、次の工程にいってしまいます。
検査終了後、取り出しを行えば、治具の下にあるものは、検査したものだけになります。
検査工程の品質保証もできるのです。
この「動く治具」+「脱の自動化」により、飛躍的に生産性を上げることができます。
「動く治具」のことを、「からくり」と呼んで、さかんに改善を進めている会社もあります。
シリンダー1本、モータ1個でできる改善が多いので、どんどんチャレンジしてみてください。
参考書
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