「アプリケーションベースのネットワークを使うことのメリットとは」エクス...

「アプリケーションベースのネットワークを使うことのメリットとは」エクストリームネットワークス カイル・ブラウン

テクノロジーの進化は、利用者のITサービスへの依存を加速的に高めると共に、より優れたITサービスに対するニーズも飛躍的に高めています。特にネットワーク関連にその傾向があります。

このような転換期は、ビジネスにとって無視することができないシステム統合に起因する多くの複雑性をもたらします。アプリケーションや仮想マシン、ストレージ、そしてネットワークのオーケストレーションはシンプルであるべきです。

しかし、利用可能なベンダーソリューションが増加する中で、企業・組織は、自社ビジネスにとってどのソリューションが適しているのか答えを見いだせずにいます。その結果、ますます複雑になるネットワークの管理に時間を取られ、ユーザーへのサービスや新たなアプリケーションの統合、増大する需要に応えるためのシステム拡張などに費やすべき時間を犠牲しなければならなくなります。

多くの企業では、IT運用をクラウド管理のプラットフォームに移行することで、生産性と反応性の向上を目指し、従業員に重要な事業活動に注力させることに取り組んでいます。

顧客は、ビジネスの発展・進化に伴って、既存のスイッチやアクセスポイント(AP)を置き換えることなく、ネットワークアーキテクチャを変更できる柔軟性を求めます。仮に、運用コストが下がる代償として、パフォーマンスの劣化による生産性や利益の低下などの不利益を伴うようであれば、その企業のクラウド戦略はもはや効果的ではありません。

事業内容が販売業や製造業、医療分野、教育産業などであっても、企業は自社のビジネスをより効率的にサポートするために、簡単で直接的な情報やアクセスを求めています。

企業は、特定のアプリケーションをIT部門の中心に置くことでネットワークの問題に対してよりよく対処する「アプリケーション中心のアプローチ」を採用するプラットフォームを利用します。それにより、ネットワークの複雑性を解消し、より優れたパフォーマンスを達成することができます。

アプリケーション中心のアプローチにおいて、ネットワーク管理者は従来の運用モデルのようにサーバやルータを管理するのではなく、特定のアプリケーションのためにシステムを管理します。このアプローチでは、アプリケーションのユーザーエクスペリエンスが成功の判断基準になります。アプリケーション中心のモデルに転換することで得られるメリットは大きく分けて3つあります。

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エクストリームネットワークス 事業開発責任者 カイル・ブラウン

1.圧倒的なシンプルさと使いやすさ

有線と無線が統合されたシンプルなクラウド管理ネットワークプラットフォームを活用することで、IT部門は日々の運用管理に膨大な時間と資金を投入することを回避できます。アプリ中心の戦略を取ることで、展開されている環境やプラットフォームにかかわらず、自信を持って必要となる重要なサービスを提供できるようになります。このモデルでは、レガシー環境とソフトウェア定義のアーキテクチャ間の相互運用が可能です。そのため、企業は顧客が求めるアプリケーションの可用性やパフォーマンスを提供することに注力できます。

2.よりよいセキュリティ

セキュリティの脅威が次々と現れ、アプリケーションの悪用がますます高度になる環境では、もはやコンプライアンス対策だけでは不十分です。企業は、特定アプリケーションのリスクや脅威に焦点をあてる「アプリ中心の戦略」を採用することで、セキュリティ方針を強化することができます。

ワイヤレスAPに直接組み込まれた学習機能と可視性を活用することで、パフォーマンスへの影響やアプリケーションのスローダウンなしに、顧客のネットワークに対する前例のない知見やアプリケーション特有のポリシーを定義したり、実施したりする能力を提供できます。

重要なのは、セキュリティはアプリケーションとデータにフォーカスするだけでなく、ユーザーエクスペリエンスを阻害することがないような包括的なものでもあることです。また同時にユーザーやデバイス、アプリケーション独自のポリシーの組み合わせで組織を活性化させ、エンドツーエンドで安全にコントロールされたエクスペリエンスの質を提供するものでなければなりません。

3.ビジネスのアジリティ

ITでの目標を達成するには、クラウドに最適化したソリューションと柔軟性のあるライセンスオプション、ビルトインサポートを提供してくれるベンダーを選ぶことが不可欠です。また、ネットワークのアジリティは、ネットワーク全体でのアプリケーションフローのステップ毎にしっかりしたアプリケーション監視ができるかどうかにかかっています。

ネットワークにおけるパフォーマンスのボトルネックを認識できず、IT部門が迅速に最適化できなければ、ユーザーエクスペリエンスが犠牲になってしまいます。だからこそ、全体的なネットワークアプリケーションパフォーマンスを監視するソリューションが、IT部門を支援してそのコントロールを提供できるようにする必要があります。

また、それぞれのアプリケーションが顧客のニーズや優先順位の変化に応じて、許可/拒否、優先順位付けとその解除、絞りこみなどを効率的に管理可能になることも重要です。その結果として、IT部門がネットワークそのものを管理しなくてもアプリケーションを管理できるようにしたり、APで分析したりするソリューションを使うことで、より強固なエクスペリエンスの質を確保できます。

個々にカスタマイズされたソリューションを求める顧客に対し、IT部門にさらなる課題を課すことなくクラウドに移行するために効果的な戦略を示しているベンダーはほんの一握りです。2017年は、ライバルに差をつけるためにアジリティを高め、独自のテクノロジーを提供しようとするユーザーの力になることが求められます。そのため、ITベンダーにはさらにプレッシャーがかかることになるでしょう。

参考:extremenetworks


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。