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連載小説『改善提案名人に挑戦!』第5話ヤサシク作戦(5)遠目と近目

連載小説『改善提案名人に挑戦!』第5話ヤサシク作戦(5)遠目と近目

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第5話ヤサシク作戦

(5)遠目と近目

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改善の4つの基本、ナクス・ナガラ・トリカエ・ヤサシクを利用して問題解決をはかろうというときに注意しなければならないことが1つある。

それは、必ずこの順序で作戦を立てるということだ。

まず、全体を見渡して不要なものをナクス。

 

次に一緒にできるものがないかを探してナガラにする。

また、トリカエによって改善できないかを考える。

こうして、マクロ的に解決できるところがなくなったら、個々についてミクロ的に見てヤサシクする。

 

 一通り手を打ったら、もう一度マクロの目で見て全体のバランスをチェックする。

もちろん問題があれば再度、ナ・ナ・ト・ヤをくり返す。

……という具合に、問題を遠目で見たり近目で見たりしながら、ナ・ナ・ト・ヤの順を何度もくり返すことが大切なのだ。

 

「こうして改善していくと、上杉のラインで少量品も流せるようになる」

「そんな、とてもムリですよ。少量品を流すとなると、段取りに時間がかかって数量が上げられなくなります」

「そうスよ。やっぱし、少量品は別の場所で作った方が良いと思います」

 

武田課長、ニヤッと笑って、

「ほら、もう先入観にとらわれている。本当にムリなのかな?」

「……んなこと言ったって、ムリなものはムリっスよ。口で言うのは簡単スけど、実際は絶対、問題起きますよ。そうなっても知らないスからね」

 

木下君はかたくなに拒否の姿勢である。

「……ま、とにかく、ナ・ナ・ト・ヤでチャレンジしてみますか」

とは上杉君。

 

「その調子その調子。あせらずじっくり取り組むことと、発想の転換をはかること。これで行けば必ずやれると思うよ」

「そうですね。なんとかなるでしょう。たとえ、少量品がムリでも、段取り改善をやればやっただけの効果がありますからね」

そう、そんなふうに楽観的に考えることもヤサシク作戦のポイントの1つだろう。

 

やる前にムリだと決め付けるのは改善を放棄しているのと同じである。

どんな困難があっても、どこかに必ず解決の糸口が見つかるものである。

その感覚は上杉君のように改善を面白がっている人には、不思議とわかるものなのだ。

 

(続く)

 

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出典:『改善提案名人に挑戦!-だれもがプロジェクトXだった-』面白狩り(おもしろがり)


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