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連載小説『改善提案名人に挑戦!』第3話ナガラ作戦(2)朝寝坊から学ぶこと

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第3話 ナガラ作戦

(2)朝寝坊から学ぶこと
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今朝の行動と言っても、ただ遅刻をしないように必死になっていただけで別にいつもと変わったことをしたわけでゃない。

「なんというかその、普段は朝起きてから家を出るまでどれくらいかかっているのかな?」

出勤前の行動というのは、誰でも似たりよったりのものだ。まず、起床して床上げに5分、洗面5分、食事10分、用便5分、着替えに5分、これに新聞を読んだりテレビを見たりなどの雑用が10分加わって40分……と、まあこんな感じのところではないか。

 

「ところで、今朝は何分かかったんだ?」

「いやあ、今朝は驚異的な速さでしたよ。なんと、半分の20分!生産性2倍向上なぁんちゃって……へへへ」

「そこがポイントだ。なんというか、いつもと同じ事をやっているのにどうして半分の時間で済むんだ?」

 

「うーん、そりゃもう大変な努力です。着替えをしながらパンをかじって、トイレに入りながら歯を磨いて、猛スピードで玄関を走り出て……そうか」

上杉君、ポンと手を打って何かに気付いたふうだ。

「猛スピード、つまり動作をめちゃくちゃ速くすればいいってことか」

 

織田課長は処置なしというような顔をして、

「上杉、おまえ、ほんとに天候のせいでネジがゆるんでしまったみたいだなあ。めちゃくちゃ速くというのは改善じゃないぞ。改善というのは作業を楽にすることなんだ」

と言われても、今朝のどこに改善のヒントがあるのか、上杉君にはわからない。

 

「今朝、いつもの半分の時間で済んだのは、なんというか3つの理由があると思うんだ。

まず、それぞれの動作がテキパキとしていたこと、次に普段やっていることを省略したこと、3番目に1つのことを別のことと同時にやっていたこと、だよね?」

小首をかしげながら、上杉君はこっくりうなずいた。

 

「1番目は、ほんの少しずつ動作を速くすると全体も速くなる、ということでこれはチリツモ作戦とおなじことだ。2番目は不要なことを省略する、ということでこれはナクス作戦だな。問題は3番目だ」

(続く)

 

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出典:『改善提案名人に挑戦!-だれもがプロジェクトXだった-』面白狩り(おもしろがり)


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