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連載小説『改善提案名人に挑戦!』第1話チリツモ作戦 (1)まずは質より量で

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第1話 チリツモ作戦

(1)まずは質より量で

kaizen

上杉君は電装品製造会社に入社して4年目。第三工場の組立ラインのサブリーダーをつとめている。若手だけれど、そろそろ中堅と言われる頃だ。

 

去年のQCサークル活動発表大会を見に行ったときのこと。

ひと通り各工場代表の発表が終わったあと、優秀発表サークルとその年の優秀改善提案者の表彰が行われた。別に感心するほどのことではないと冷めた目で眺めていたが、上杉君とは同期で親友の斎藤君が壇上に紹介されると、思わず、

「ええっ! あいつが?」

と声をあげてしまった。

でも、あいつの職場は少量品のラインで、問題が山積しているから改善点も見つけやすいもんな。それに、うちの職場の場合は提案してもリーダーがやる気ないから取り上げてくれないからなぁ……ちょっぴり羨ましいけど、おめでとう。

 

その斎藤君、工場では「事務局泣かせ」と呼ばれている。

とにかく、普段から仕事のやり方について文句が多い。あんまり、うるさいものだからリーダーに煙たがれて

「文句は改善提案用紙に書いてくれ」

と言われてしまった。

 

文句のほこ先を自分から提案事務局に変えてしまったリーダーは少し問題だが、斎藤君にとってはそれが幸いした。

最初は不平や不満、何でもかんでも提案用紙に書いて出していた。それも毎日のように。

たまりかねた事務局から、

「提案するのはいいが、どうしたら良くなるのかきみ自身の意見を書いてくれ」

と注意されてしまった。

 

しかし、この程度ではメゲないのが斎藤君。それならばと、金がかかろうと技術的にムリであろうとお構いなしに改善案を書き始めた。

中には、SF映画まがいのアイデアすらある。ほとんどがボツだったが、あまりにユニークなので事務局の人も呆れてしまい、逆に彼の提案を見るのが楽しみになってしまったくらいだ。

 

さて、下手な鉄砲数打ちゃ当たる。そんな提案ばかりでも第三者が見れば実現可能なものもある。いや、発想だけを取り出してみれば簡単にできるものも結構あるみたい。

そんなことをくり返している内に、斎藤君はなんとなく改善提案のコツをつかんでいったようだ。

 

QC大会の帰り、上杉君は一杯やりながら斎藤君の体験談を聞いた。二人で飲むときはいつも上司の悪口を肴にしているのに、今日は珍しくマジな話に熱が入っている。

(続く)

 

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出典:『改善提案名人に挑戦!-だれもがプロジェクトXだった-』面白狩り(おもしろがり)

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