貴社にはスキルマップがありますか?
スキルマップとは?
皆様の会社では、スキルマップを作成していますか。
スキルマップとは、業務で必要なスキルと各社員が持っているスキルをリスト化した一覧表です。自社の持つスキル・人材をリストアップするため、人材の棚卸表とも言えます。
会社にとっては、リスト化することで、自社にあるスキル・人材を明確化し、また、足りないスキル・人材もはっきりするため、現状を把握して効率的な人材配置を可能とするとともに、今後の人材育成や人材確保の指標にもなります。
また、社員にとっても、現状の自分のスキル・同僚のスキルが見える化されることにより刺激を受け、必要とされるスキルや目標がわかるため、モチベーションのアップにつながります。
スキルマップの作成方法
①業務に必要なスキル(仕事内容)を洗い出します
必要なスキルは作業を細分化して細かく洗い出すこともできますが、細かくなるとスキルマップの作成のハードルが上がりますし、運用後の評価も細かくなるため、まずは、おおまかなものを挙げて作成し、必要に応じて細かくしていくことをお勧めします。初めのうちは、工程や機械をスキル(仕事内容)と位置付けて、そこから、重要な作業は細分化する方法が良いと思います。
②評価基準を決めます
スキルマップに評価を記入するため、熟練度に応じて4~5段階程度の基準を用意すると良いと思います。
③縦軸に社員名、横軸にスキルを入れてマトリックス図を作成します
スキルマップの活用方法
スキルマップを作成したら、それをもとに各社員と個別面談を行いましょう。各社員の現時点のスキルレベルと今後の目標について、認識・意識の共有を図ることが重要です。会社側が求めるスキルや現時点の自分の位置を把握しないで、社員自身で目標を設定することは難しく、また、会社側が一方的に立てた目標では社員の納得性に欠けます。
個別面談で話し合いながら、現状の確認と目標の設定を行いましょう。そして、現時点のスキルの確認や目標を設定しても、その後、社員任せにしてしまうと、目標が形骸化してしまいますので、面談は半期~1年毎など、定期的に行い、目標の到達度の確認と再設定を行っていきましょう。
現状の確認や目標の到達度の確認は、できるだけ数値で行うことが望ましいです。1個あたりにかかる作業時間、不良発生数などのデータを取っている場合は、そのようなデータを活用することも有用です。
まとめ
機械などの物質的な資産があるだけでは会社は成り立ちません。社員や社員の持つスキルも、会社の大切な資産です。それを管理し、効果的に人材育成を行うためにも、ぜひ、スキルマップを作成して活用してみてください。
◆榊原 由佳
中小企業診断士。株式会社テクノアに入社し個別受注型生産管理システム『TECHSシリーズ』のサポート業務に従事。お客様からの様々な問い合わせやトラブルの対応を行い、システムの安定稼働を通して、業務改善を支援しています。