製造業における労働生産性を向上させるには
こんにちは。テクノアの荒井です。
今回は、製造業において収益を上げていくために必要な労働生産性の向上についてお話をします。
昨年10月に開催された政府の成長戦略会議において、KPI達成に向けた進捗が十分ではないものについては、課題分析を行うべきと記載がありました。その中には「製造業の労働生産性について年間2%を上回る向上」という目標がありました。
「成長戦略のKPIの達成に向けた進捗状況について」
労働生産性の向上率は3カ年平均で約1.1%にとどまっている
2016年から2018年までの3カ年平均では労働生産性の向上率は約1.1%と、目標の半分程度の進捗となっています。しかし、総付加価値額は年率約1.9%上昇しています。
生産性が伸びていない要因は働き手が増えたこと
労働生産性は総付加価値額を労働投入量(労働時間数×就業者数)で割り算することで求められます。近年は女性活躍や高齢者雇用の進展により労働投入量も増加したことが、結果的に労働生産性を押し下げている要因となっているようです。
しかし、このように働き手が増えたことは、就業機会を増やそうとする政府の取り組みの成果が出ておりますので、評価するべきことだと思います。
さらに労働生産性を向上させるには経営者、従業員の意識改革を
図の公式にあるように、労働生産性を向上させるためには、売上を伸ばし、原価を下げることが大切です。製造業の経営者のお話を伺うと、「ITを活用して原価の見える化をしたい」「うちは原価がどんぶり勘定で、売上至上主義になってしまっている」とよくお聞きします。まずは、この原価意識を高める取り組みが必要になります。
また、総労働時間を抑えることも、労働生産性の向上につながります。「売上を伸ばしたが、残業代などの余分なコストが増えて、結局儲かっていない」というお話も伺います。限られた労働時間で、より多くの生産をする、という意識改革が必要になります。そのために私達はITを活用した生産性の見える化ができる仕組みをお勧めしています。
図:「中小企業白書 2020年版」(中小企業庁) Ⅰ-97より抜粋
是非、経営者の皆様には従業員の雇用を守りつつ、収益改善を行っていただきたく思います。そのために、私も中小企業診断士として、システム営業としてお役に立ちたいと思います。