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現場へのロボット導入に賛成?反対? 介護の現場ではこんな意見だった

現場へのロボット導入に賛成?反対? 介護の現場ではこんな意見だった

あなたは現場へのロボット導入に賛成ですか?反対ですか?それはなぜですか?

現場にロボットを導入して効率を上げようという取り組みが、国と産業界を挙げて推進されています。しかし現場の作業者はそれをどう感じているのでしょうか。「人間の精密さには敵わない」「自分の仕事が脅かされる」「ものづくりの心が入っていない」など賛否両論、色々な意見があると思います。

製造現場と同じように人手不足や効率に悩む介護の現場では、介護ロボットに対して6割が賛成で、3割が反対だそうです。介護職の人材サービス「介護のお仕事」( http://www.kaigo-shigoto.com/ )を運営する株式会社ウェルクスの調査によって明らかになりました。介護の現場ではロボットに対してどう感じ、何を期待しているのか。また心理的にはどうなのか。製造業の現場への導入に対しても参考になるのでご紹介します。

職場への身体補助機能型の介護ロボットの導入 賛成6割 反対3割

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■賛成の理由は
・「ロボットのみには頼れないが、 補助的にあるのならば、 人数が増えて利用者一人一人にすぐに対応が出来るようになるから」(40代・男性)
・「少しでも利用者と介助者の精神、 身体面で良くなる効果があるなら、 活用すればいいと思う」(30代・女性)
・「人力だけでの介護に限界を感じてきている」(20代・男性)
・「介護職の身体的負担の軽減により経験豊富なスタッフの離脱リスクの減少や新人スタッフの入職に役立てる。 また、 精神的余裕からケアの質の向上も図れると考える」(30代・男性)
・「身体の大きい方の介助がしやすくなるのでは?」(20代・女性)

現在の作業をもっと効率的にでき、作業負担が減るメリットを感じているようです。また、それによって介護職の方に心の余裕が生まれて、もっと良いサービスができると期待する声が見られます

■一方反対の理由は
・「機械の故障で事故が起きたら責任はどうなるかわからないから」(20代・男性)
・「人間だからできる介護じゃないですか! 将来なるかもしれないけど、 味気ないですよ。 だから反対です」(30代・男性)
・「介護の仕事をはっきり言ってなめないでください」(50代・男性)
・「利用者の残存能力を生かした、 その時その時の動きが出来るのか?そして、 毎日毎日もの凄い回数になる。 施設の機械は、 消耗が激しく自分達で出来るところは修理しながら使っている現状。 壊れるのが早いんじゃないかと思う」(30代・女性)

事故に対する責任の所在、機械寿命に対する信頼性やメンテナンスに対する不安を感じ、そこに課題があるようです。味気ない、なめるなという真っ向から否定する意見に対しては、人の介護は人がやるものという昔からの概念、仕事に対するプライド、ロボットに仕事を奪われるかもしれないという不安感など、ロボットに対する複雑な心理状態が見てとれます。

コミュニケーション型の介護ロボットの導入も賛成6割 反対3割

■賛成の理由は
・「仕事に追われちゃんとしたコミュニケーションがなかなか取れないので少しは役に立つ可能性があるから」(30代・女性)
・「普段もコミュニケーションを図ろうとしていますが、 利用者様が退屈にしている時間など相手になってもらうと助かる。 また利用者様が職員には言えない愚痴や本音を言える時間になり、 ストレスを取り除ける可能性がある」(20代・女性)
・「利用者の笑顔が少しでも多く見られるなら導入はあっていいと思う」(40代・男性)
・「介護職が思っているほど、 高齢者に拒否感はないという事実が、 検証する機会があり、 実体験を通してわかったから」(20代・男性)

忙しくてなかなかコミュニケーションできていないことに対してその解消になるとの期待が大きいようです。また、実際に使ってみたら、高齢者の方に拒否感がなかったというのは興味深い意見ですね。確かに、ぬいぐるみや植物に話しかけてリラックスしたりすることがあるのを考えると、拒否感が少ないというのはうなづける話です。

■一方反対の理由は
・「コミュニケーションは人間同士でなければ、 成立しないと思う」(40代・女性)
・「ロボットなんかと話すよりやっぱり人同士で話すべきだと思います。 温かみがないから」(30代・女性)
・「介護は心のケアや温かさを私は重要だと思っております。 高齢者たちは私たち世代でさえロボットになれないのにどうなるのでしょうか。 人と人との繋がりを重要視する世代でもあります。 介護ロボットを作る前に、 そんなの導入するお金があるなら人件費を増やせば求人もあつまるのではないでしょうか」(20代・女性)
・「介護ロボットにはっきり言って人の命が救えますか?」(50代・男性)

人同士のコミュニケーションを大事にする方に拒否感が多い印象を受けます。介護を受ける側が実際にどう感じるかということを、実際の高齢者の方々に聞いてみて判断したいですね。ペットやぬいぐるみなどと同じと感じてもらえるようであれば有望で、実際に、いまだにソニーのAIBOを可愛がっている高齢者のニュースなどありますし。

介護は人間がやるべき そう思う/思わないが半数ずつ

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■人がやるべきと答えた人の理由は
・「今の技術のロボットから愛を感じる事はできますか?」(30代・女性)
・「ただでさえ、 高齢になると対人関係が減少するイメージなのに最後の砦で人が関わらないのは切ない」(20代・女性)
・「人間の繊細な変化に気づくのは人間でも難しい。 例えば皮膚状態の観察、 動作歩行などのADL、 認知機能の緩やかな低下、 他にも様々なやりとりや、 血の通った肌でないと状況の悪化につなげることになる」(40代・女性)
・「確かに楽にはなるけど、 対人なのだから気持ちや感情を分かち合い、 それに対する適切な考察ができるし、 温もりが感じられて落ち着く人だっている。 ロボットになってもいずれは人が関わることになるし…。 」(30代・男性)
・「介護は人間の営みだから」(50代・男性)

人同士のコミュニケーションやぬくもりなどの意見が目立ち、効率や効果に対する指摘はあまりないようです。

■人がやるべきとは思わないと答えた人の理由は
・「むしろ人間のほうが嫌な事がある。 羞恥に関わる部分。 自分はやってるけれどオムツ交換や入浴を他者に直接見られる触られるのは恥ずかしい」(30代・男性)
・「限界がある。 人手不足、 今のままの日本なら年寄りに潰されるだけだから」(30代・女性)
・「ロボットの方は危険があってもまだマシな感じがします。 人にやってもらうと嫌な顔されるのでまだロボットの方がいいかな」(20代・女性)
・「機械でできるなら機械でもいいかな」(20代・男性)
・「必ずしも人間が行わなくても、 介護される側が満足ならどのような形でもいいのではないか」(30代・女性)

現場の人手不足という課題と効率性、介護される高齢者寄りの意見が出ています。やはりここでも高齢者の方々の意見を聞いてみたいところですね。

介護ロボットを使いこなせるか? 使いこなせないが多数

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有用性は理解しつつも、実際に使うとなったら不安感が強い様子。よりシンプルで直感的な操作性や、操作に対する講習の拡充などが課題になりそうです。

※全調査データ、調査概要は介護のお仕事研究所のページで確認できます

介護職がロボットを使えば、もっと良いサービスができて高齢者もハッピーになれる

さて、いかがでしたでしょうか。作業者の本音がとてもよく出ていたと感じます。

賛成意見では、自らの作業負担が減ること、サービスの良化につながること、ユーザーの幸せに直結することへの評価、期待が大きいようです。一方、反対意見では、従来の考え方を強く持っていて、ロボットを頭から否定する風潮が見られます。介護の専門家として技術を持っている介護職の人々が、ロボットという便利なツールを使うと、もっと良いサービスができ、自分も、介護を受ける人もハッピーになれるということをうまく伝え、それが本当に実現するようにしていきたいですね。

参考:ウェルクス、約3割が「反対」、なぜ介護ロボット導入に賛否が分かれるのか。ウェルクスが「介護ロボット」に関する調査を実施


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ